近年、ビジネスのスピードを格段に上げることができると話題の「ビジネスチャットツール」。実際に使用すると、メールでやり取りしていた頃には戻れなくなる、というのが正直な感想です。
しかし、「ビジネスチャットは使ったことがなく、使いこなせるか不安」「ビジネスチャットの決め手はなにがあるの?」「ビジネスチャットツールの選び方がわからない」といったお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ビジネスチャットとはなにか、ビジネスチャットを選ぶ重要な決め手についてご紹介するほか、無料で利用・試用することができるビジネスチャットツールを5つご紹介します。
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットは、ビジネスでの活用をメインに据えた『チャットツール』です。
チャットツールといえば「LINE」や「Facebookメッセンジャー」なども該当しますが、それらとは異なり、ビジネスに特化した機能を充実させたものです。
1対1でのチャット会話も可能ですが、メインの用途としてはチーム・グループ単位での会話になります。
近年ではリモートワークなど柔軟な働き方が増えてきています。ビジネスチャットはインターネット環境が整っている場所ならどこからでも接続が可能です。柔軟な働き方を支えるツールとしても注目されています。
ビジネスチャットのメリット
ビジネスチャットのメリットは、ビジネスをスムーズに進めることができるところです。
例として、ビジネスチャットとメールを比較してみましょう。
ビジネスチャットでは、複数人が閲覧可能なグループ内において、全体向けにも、特定の人向けにもメッセージを送ることが可能です。
メールでは、このような複数人での柔軟なメッセージのやり取りは難しいでしょう。基本的には1対1の会話がメインです。
他にも、ビジネスチャットの中には、タスクを割り当てられたり、チャットグループごとに固定しておきたい情報を「概要欄」に表示できたりといった、メールでは実現できない機能が多く備わっています。
この他にも、メールに比べてもすばやく返信が出来る点が挙げられます。
ビジネスチャットのメリットは、複数人グループで、会話をすばやく・効率よく行える点にあると言えるでしょう。
ビジネスチャットを選ぶ重要な決め手とは
ビジネスチャットを選ぶときは、次のポイントを重視した方がいいでしょう。
費用・規模に見合っているか
ビジネスチャットの中には、基本無料で導入できるものも多くあります。しかし、大人数の組織で使う場合は、無料版では機能が不足する場合があります。
有料版が必要となる機能は何かという点や、グループをいくつ作ると有料になるか、など、各ツールの料金体系は様々です。
自社の規模に見合った機能、料金体系をもつツールを選ぶようにしましょう。
必要な機能が備わっているか
ビジネスチャットにおいてどんな機能が必要となるかは、使用環境によって異なります。
自社にとって必要な機能が備わっているかというポイントは、各ツールの機能表示や、後述の試用期間に実際に使ってみるなどして、しっかりチェックしておきましょう。
ちなみに、ビジネスチャットの多くで、以下の機能は標準搭載されています。
・個別チャットやグループチャット
・メンバーを自由にグループに割り当てられる
・無料通話(音声通話とテレビ通話含む)
・データやファイルの共有機能
これらの機能があれば十分ということであれば、世の中のほとんどのビジネスチャットを候補にすることができます。
一方、もしもこれ以外に重視したいポイントがあるならば、その機能が備わっているツールを探すなど、慎重に選ぶ必要があります。
無料プランがあるか
ビジネスチャットによっては、「無料プラン」があるものや、「無料試用(トライアル)」ができるものがあります。
無料プランは、期間の制限はないですが、使える機能の制限がある場合が多いです。組織で利用する際は無料プランでは難しいものもありますので、あくまで使い心地を試すためのものとして捉えておきましょう。
一方無料試用の場合は、多くがフル機能を一時的に試すことが出来るというパターンです。導入を検討している場合は、必ず無料試用を行い、期間内に積極的に使ってみて、使い心地を試しましょう。
良さそうと思ったチャットツールは、無料で試せる仕組みがあるかどうかを確認し、できる場合は社内のメンバーにも参加してもらい、試用しておいたほうがよいでしょう。
社員全員が使いやすいか
チャットツールを導入するということは、組織内のコミュニケーション方法を一変させる行為であるため、すべてのメンバーに影響が及びます。
ということは、ITリテラシーにかかわらずすべての社員が、問題なく使いこなせる必要があります。
操作が難しい部分がないか、試用期間にメンバー全員が試すことが出来るか、メンバーの疑問をサポートできるかなど、誰もが使いやすいかというポイントは注意しておく必要があります。
おすすめビジネスチャットツール5選
実際にどんなビジネスチャットツールがあるのか見ていきましょう。
料金がかからない試用期間が30日以上あるビジネスチャットを、5個ご紹介していきます。
ChatWork
ChatWorkは、導入企業数が22万社を突破した、人気の国産チャットツールです。
シンプルでわかりやすく、操作もしやすい、誰にでも簡単に使えるチャットツールです。
テレビ会議機能、タスクの依頼、完了報告機能など、チャット以外の面でも様々な機能が備わっています。
導入するチャットツールに迷ったら、まずはChatWorkをテストしてみると良いでしょう。
【無料版について】
ChatWorkには「無料トライアル」と「無料プラン」が存在します。
「無料トライアル」では、有料版の機能を一時的に無料で試すことが出来る機能です。
一方「無料プラン」は、所属できるグループチャットの数が制限されるかわりに、時間制限無しでずっと使い続けることができるプランです。
無料の範囲内で事足りる場合は、そのまま使い続けることも可能です。無料プランで使い心地を試して社内に浸透させて、慣れてもらうという方法を取ることが可能です。
Slack
2013年にアメリカでリリースされたビジネスチャットツールです。そこから世界各国に利用者が拡大。日本でも多くのユーザーが利用しています。
おおむね機能面では大きな違いはありませんが、細部については様々な特徴があります。
例えばAPIを使用した他ツールとの連携においては、Slackはかなり自由度が高いです。
TwitterなどSNSの投稿を自動的に集めるものや、Googleカレンダーに登録したスケジュールの通知を表示させるなど、様々なツールの「ハブ」としての機能を持たせることが可能です。
開発の現場で使いやすい「コード投稿」機能なども充実していることから、IT企業での利用も多いのが特徴です。
【無料版について】
機能制限がありますが、期間無制限で利用できるフリープランが存在します。
簡易な利用であればフリープランでも大丈夫ですが、ビジネスでの本格利用は難しいかもしれません。
Direct
Directは、ビジネスチャットに必要な機能はほとんど揃えています。
さらに、「未読・既読の表示」、現在地を表示する「今ココスタンプ」、簡単に意見を集められる「Yes/Noスタンプ」など、他のツールにはない特徴的な機能も備えています。
未読・既読表示機能をつけているツールはあまり多くないので珍しい機能と言えます。未読メンバーへのフォローもスムーズに行うことができます。
また、ファイルの添付についてはExcel、Word、PDFなどはもちろん、PSDファイルやAIファイルなど、特定のツールがないと開けないようなファイルも添付可能です。
【無料版について】
30日間の無料トライアルが利用可能です。登録可能人数は10人までですが、使い心地を試すことができます。
InCircle
InCircleは純国産のビジネスチャットツールです。特にセキュリティ面・安全性に配慮した作りになっている点が特徴です。
一対一でのトーク、メッセージの送信、既読表示、メンバー編集、キーワードによる文章検索、一斉同報(最大10,000人同時)など、基本的な機能は十分に備わっています。
また、AI(チャットボット)が搭載されており、特定の情報を検索したときにリストアップをしてくれて、関連している情報やデータをまとめて表示することが可能です。
InCircleに現在搭載されているチャットボットは「文書管理ボット」「名刺ボット」「スケジュールボット」の3つで、例えば「文書管理ボット」なら、検索したいキーワードを入力するだけで、キーワードを含む過去の文章を検索して、リストを表示させることができます。
この他にも特徴的な機能があり、それは「会話パターンの分析から離職リスクを探る」ことができる機能です。ネガティブな書き込みをいち早く察知し、個別の対応につなげることができます。
【無料版について】
フル機能を20ユーザー分、30日間試すことが出来る無料トライアルが提供されています。
まとめ
この記事では、ビジネスチャットとはなにか、ビジネスチャットを選ぶ重要な決め手、ビジネスチャットツールをご紹介してきました。
ビジネスチャットは今後どんどん進化していき、ネット環境さえ整っていれば、オフラインの会議以上に充実した会議ができるようになるかもしれません。
この記事で紹介したビジネスチャットツールでも良いので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。