「2025年の崖」までに、ITを活用して自社のビジネスに変革を起こしたいと考えている人もいるかと思います。
そこで、近年日本でも注目されはじめているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)というものです。
ただ、日本企業がDXを導入しようとすると様々な理由が絡み合っていて難しく、なかなか浸透していないというのが実情です。
この記事ではDXとは何か、またDXを導入したことで成功した事例をご紹介していきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か?
そもそもDXとは何なのか、具体的な例を挙げて紹介していきます。
DXの意味
DXとはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、和訳すると「デジタル技術による人々の生活の変革」という意味です。
スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン氏らが2004年に提唱したとされており、クラウドサービスや高速インターネット、人工知能(AI)や、情報技術(IT)などで生活やビジネスの質を高めていくことをいいます。
ビジネスの場においては、以下のようなものがDXの例です。
・社内のペーパーレス化
・新たな市場の開拓
・既存事業においての生き残り施策の実施
・ビジネスモデルの転換
・RPAによる定型作業の実用化
・脱ハンコするための取り組み
世界と日本のDX
アメリカの調査会社であるIDCによれば、2020年のDXの世界市場は前年比で10%以上拡大したという調査結果が出ました。
これは、新型コロナウイルスの影響で経済縮小があったものの、製造・インフラ・金融など世界市場でみると、幅広い業界でDXが取り入れられたことが背景にあると考えられています。
ただし、日本国内の様々な業種の状況を見てみると、動画配信サービスやデリバリーサービス、ECサイトなどにおいて、グローバルなサービスが既存の日本の事業モデルと入れ替わろうとしているという現状があります。
世界市場ではDXの取り組みは広がっているのに比べて、日本は後れをとってしまっている状況です。
日本が先進国に比べてDXが進められていない根本的な理由には、下記のような原因があります。
- 人手不足
日本国内にとどまらず、世界中でIT人材は不足しており、優秀なIT人材を確保することは容易ではありません。
経産省の調査によれば、2019年はにIT人材の供給量のピークを迎えるとされており、2030年には50万人以上の深刻な人材不足が生じると推計されているのです。
そのため、ITに長けた人材を確保するためには、各社で育成や採用において工夫をする必要があるといえるでしょう。
- DXの費用対効果
DXの導入や運用については、即時的にうまくいくとは限りません。
投資に見合った収益がすぐにあがることはほとんどないでしょう。
その投資を、先行投資として長い目でみることができなければ、費用対効果を正しく計測することができず、DXから撤退せざるを得ない状況になります。
- 適切な目標設定の難しさ
必要性は理解していても、実際に明確なビジョンを持っている経営者や企業担当者はなかなかいません。
DXの概念も幅広いため、個々人が考えるそれぞれのDXに対するイメージが異なるというのも要因であるといえるでしょう。
そのため、目標と目的が定まらず、なかなかうまく機能しないという事態に陥りがちなのです。
そのような失敗を防ぐためにも、経営層がDXの明確なビジョン、ゴールイメージを持ち、社員たちに伝えていくことが必要不可欠といえるでしょう。
- 既存のシステムとの調整コスト
DXの費用対効果について先述しましたが、それに加え既存のシステムがあるため、新規のDXの導入が難しいということはあるでしょう。
システムが肥大化することは、維持コストも相当なものになることが予想されます。
DXを導入する際には既存システムをやめて新しいものにするのか、既存システムと共存するのか明確な意思決定が必要なのです。
これまでの習慣や常識を会社全体で変える必要が出てくるので、この決断ができなければ、一向にDXの推進をすることはできません。
日本企業のDX普及は急務
以上のような理由から、日本はDXの普及が他の先進国と比べて遅れています。
しかし、適切なDXを導入することはその会社の未来の明暗を分けるといっても過言ではありません。
今後のIT人材の人手不足が予想されるのであれば、人に頼らないDXを目指すことが必要といえるでしょう。
今まで日本企業が使用してきた専用にカスタマイズされたITシステムやフルスクラッチ開発などの代わりに、ローコードもしくはノーコード開発可能なクラウド型の汎用システムを使用することで、人に依存しないDXの運用が可能です。
その他にも、日本国内でもDXを成功させた事例は数多くあります。
DXを成功させた事例をご紹介
では実際にDXを成功させた事例にどのようなものがあるのでしょうか。
5つの事例をご紹介します。
約2,000時間の業務時間削減に成功した事例
1つ目の事例は、金融会社が月に約2,000時間の業務時間削減に成功した事例です。
数社のRPAを比較し、プログラミングスキルがある人もない人も、両者が利用することで使用感を試し、結果として複雑な作業が必要なく、現場の人間が使用できるRPAツールを導入することに決めました。
DXとしてRPAを導入したことによって人的ミスが減り、今まで人がやっていた登録業務や、お客様へお手紙を送る際に住所を調べてプリントアウトする作業などを自動化することにより、月2,000時間の業務時間削減に繋がったという事例です。
現場の声として、時間の削減はもちろん、DXで自動化したことにより「一緒に同じ時間に仕事をしてくれるアシスタント」がいるような安心感が得られるという声や、ミスをしないようにしなければならないという心理的負担から解放されたとの声があがりました。
インタビュー記事の制作を自動化した事例
2つ目はインタビュー記事を制作するメディア会社での事例です。
今までインタビュー記事を制作する際は、まず対面インタビューを行ってから、インタビュー内容の文字起こしを行い、その原稿の校正・編集を行って記事化し、編集部で確認し公開するという長いプロセスを経て公開していました。
この業務を、RPAを用いて自動にしたことによって、それまで120分かかっていた一連の作業が5分で済むようになりました。
この事例では、上記の時間短縮の他にも、RPAを導入したことによって属人化していた業務が見える化し、社内業務の構造化の動きに繋がったという声もあがっています。
会員カードのアプリ化でユーザーデータを活用した事例
3つ目は、百貨店の会員カードのアプリ化でユーザーデータを活用した事例です。
従来の会員カードやクレジットカードの登録の場合は、申込用紙への記入が必要で、クレジットカードの場合は審査も必要になるため、手間も時間も必要になります。
そこで、会員用のアプリを開発し、ユーザーはアプリをダウンロードすればすぐに会員カードが利用できるようなったことで、従来の会員カードより大幅に利用者を増やすことに成功しました。
また、ユーザーの手間や時間が削減できただけでなく、アプリで取得できる位置情報から人の流れを解析することが可能になります。
来店者数が多い曜日、購買率、時間帯や年代での違いなど、ユーザーデータを解析することにより、より顧客のニーズにあった運営が可能になったという、一石二鳥の事例です。
MAツールでユーザーデータを商談率UPに活用した事例
4つ目の事例はメーカーの商談率がUPした事例です。
これまでは、営業担当が集めてきた名刺情報や、電話の問合せ、代理店からの紹介などをExcelで一覧化し、それを元にアプローチをする手法の営業活動を行っていました。
しかし、その手法では、顧客が求めている商材やアプローチのタイミングが合わないことも多く、契約に至らないケースが頻発し、結果として営業担当者のモチベーションも上がりにくい状況に陥ってしまっていました。
そこでMAを導入し、お客様がどのような会社か、購買のタイミング情報の取得化を自動で見える化することで、商談化率がアップしました。
また、成約率が高いWebからのリードに対し、適切なタイミングで自動でメールを送り、商品カタログに反応したリード情報のみが営業担当者に引き渡されるような仕組みを構築しました。
これにより営業の商談成功率があがり、営業担当もより前向きに商談に挑めるようになった事例です。
定型業務の自動化で人的ミスを0にした事例
5つ目にご紹介するのは、80年以上続く老舗企業での導入事例です。
ご夫婦2人で行っている会社で、今までは睡眠時間を削って定型業務を行っていました。
2人の負担を減らして睡眠時間を増やすべく、商品をネットに自動でアップロードすること、そして受注メールの顧客情報をシステムに転記することを自動化しました。
その結果、定型業務は午前中のうちに自動で終わるようになりました。
それまでは、数字に誤差が発生した場合は月末に丸2日ほどかけて数字を合わせるという大変な作業がありましたが、すべてロボットが作業することでミスがなくなり、精神負荷もなくなったのです。
ロボットを導入することは難しいように聞こえるかもしれませんが、必要なのはパソコン1台のみで、想像よりもはるかに簡単に導入することができたという声がこの事例からは上がりました。
DXを浸透・成功させた企業が行っていたこと
次に、上記の事例で紹介したDXの浸透を成功させた企業が行っていたことを紹介していきます。
DXを属人化させない
まず1つ目は、DXを属人化させないということです。
DXは、ツールによってはエンジニアのように専門知識がなくても導入も利用もできるようになっています。
そのため、専門知識がある人だけがDX関連の業務を背負う必要もありません。
しかし、社内でDXを浸透させようとすると、多くの社員は難しいものだと決めつけて他人事にしてしまう事例が非常に多く存在します。
この状況をそのままにすると、1人の担当者が大変な思いをし、周りは理解しようとしないまま、DXが浸透せずに終わってしまうことになります。
そのためにも、ツールは「わかる人が使えばいい」のではなく、「誰もが使いやすいものを使う」ということを念頭に置いて選別していきましょう。
その後、DXを属人化させずに、社内のみんなで理解しながら使っていくことが重要です。
全社的に課題を認識する
次に、自社が抱えている課題は何なのか、解決する優先度や内容を全社的に認識し、どの業務にDXを導入して課題を解決するかを決めましょう。
DXの導入で解決できる業務、できない業務があるため、その業務の内容やかかる時間を可視化し、費用対効果を割り出してみるのがおすすめです。
そこまでして初めて、現場の人間も、管理職の人間も、役員の人間も「解決しなくてはいけない」「解決すると利益アップにつながる」という共通認識を持ってDXを推進させることができるでしょう。
ツールの勉強会を定期的に開く
最後に、ツールの勉強会を定期的に開くことをおすすめします。
試験的に一部の部署のみ導入してみて、その使用感やどれだけ業務が効率化できたかが可視化されれば、全社的に利用する流れも作りやすくなるはずです。
ツールについて学ぶ機会を定期的に作ることで現状の課題も見えてくることもあるでしょう。
DX化の第1歩として導入しやすいツールを紹介
では、上記で紹介した事例のように、DX化のために導入しやすいおすすめのツールを3つご紹介します。
RPAツール|Robo-pat
まず1つ目にご紹介するのが、RPAのRobo-patです。
上記の事例で紹介したように、DXの導入の際にエンジニアを頼る必要はなく、事務職などの現場の従業員が、自分の業務を自分で自動化できるように開発されているのが1番の特徴といえます。
アプリケーションを選ばず、すべてのソフト、ブラウザアプリで利用可能なため、Robo-pat導入のために新しい端末やソフトを揃える必要はありません。
人間が目で見て、マウスとキーボードを使った作業は、Robo-patを活用すれば自動化することが可能です。
RPAのツールを活用してみたいが、どのように活用すれば良いのか、またどの業務に利用したら良いかわからないということもあるでしょう。
Robo-Patでは毎日3回、1回15分でWeb展示会を行っています。
RPAの基礎知識から、自社にあったRPA活用のヒントを貰うことができ、更に参加した場合は機能制限なしで1か月3ライセンスまで無料でトライアルをすることが可能です。
また、サポート体制も充実しているのが特徴で、ヘルプデスク、動画チャンネル、対面かオンラインで行う企業別個別勉強会、ロボ作成支援も全て無料でできます。
そのため導入の際にコスト面を気にせず、相談しながら導入を検討できるのがポイントです。
自社のDX化を推し進めたいと思った場合は、1度Web展示会に参加してみると良いでしょう。
https://growth-link.net/link.php?i=pge1bn1bgdeo&m=5dad6df7af8aa【無料トライアルはこちら】
Robo-pat
CXツール|KARTE
KARATEはアプリやサイトの訪問者をリアルタイムで行動や感情を解析し、それぞれのユーザーに合った体験を可能にするCXツールです。
顧客情報を統合し、そのデータを元に分析することで、よりお客様に合わせた提案を可能にするのが1番の特徴といえるでしょう。
前述の事例であげた百貨店の例を紹介します。
アプリ内でオンラインで商品を購入することができるようにした際に、アプリ内で利用できるクーポンを全ユーザーに配布するという施策はよく行われるかと思います。
ただ、できれば継続して利用してくれるユーザーや購買意欲の高いユーザーにのみ配布したいと思いますよね。
CXツールを利用することで、一律に全ユーザーへ配布するのではなく、アプリをダウンロードして日が浅く、一定数以上の商品ページを閲覧している購買意欲の高いユーザーに対してのみクーポンを配布するということができます。
また、PCブラウザで見ている場合にカーソルが右上(MacOSの場合は左上)に近づいているときはページからの離脱の可能性が大きいですが、そのようなユーザーに対して、ユーザーの閲覧履歴に合わせたおすすめ商品や、売れ筋商品を表示することでページからの離脱を防ぐことができます。
その他にも、KARATEでは業種によってそれぞれ最適化された顧客体験を提供することが可能になっています。
AI営業ツール|APOLLO SALES
AIが自動で営業メールを送ってくれるツールがAPOLLO SALESです。
APOLLO SALESは、アタックしたい企業の条件を事前に指定するだけで、営業リスト作成からそのリストを元にメールや問い合わせフォームから営業メールを自動で送ってくれるツールになっています。
手間をかけずにアポイントをとれる他、営業メールの文章によっての成果をスコア化できるため、より効果ある営業メールの作成が可能です。
営業の人材不足の解消はもちろん、コア業務にあてる時間が増え効率的に営業を行えるでしょう。
4つ目の事例で紹介したような、営業メールをよく使う会社におすすめのDXの導入の仕方です。
【お問合せはこちら】
APOLLO SALEShttps://growth-link.net/link.php?i=5dad716b933d2&m=5dad6df7af8aa
まとめ
DXは、導入して浸透させることが難しいと思っている方もいるかもしれません。
しかし、エンジニアに頼らず導入できるものもあり、勉強会が充実しているツールもあります。
また同業他社のDXの事例を真似てみるのも、DX導入のための1つのヒントになるかもしれませんので、少しずつ、できるところからDX化を目指してみることをおすすめします。
上記のような事例を参考にしていただくことで、あなたの会社でもDXを推進させられることを祈っています。