既存ビジネスをデジタル化して業務改善をすることができる「DX」を自社で取り入れたいと考える経営者や企業担当者は多いことでしょう。
ただ、コストや人材、運用の問題など様々な課題があり、導入に踏み込めないということもあるのではないでしょうか。
この記事では、DX導入がなかなか進んでいない日本企業が抱えている大きな課題や、課題解決のためのヒント、また低予算で導入しやすいDX化ツールについてご紹介していきます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXとはDigital Transformationの略で、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念で、意味を簡潔にまとめると「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面で良い方向に変化させる」というものです。
企業にとっては、既存ビジネスに取り入れることで下記のような効果が期待できます。
・スピード向上
・コスト削減
・ペーパーレス化
・企業組織の変革
ただ、現在の日本の状況はECサイト、動画配信サイト、デリバリーサービスなど、様々な業種で既存の国内の事業モデルが、グローバルなサービスと入れ替わろうとしているといえます。
その要因の1つとして、日本企業のDXの導入状況の後れがあります。
海外に目を向けてみると、DXを全社的に取り入れている企業は数多くあり、2018年の調査ではDXに全く取り組んでいない企業は9%だといわれていますが、2016年には15%だったため、これからDXを取り入れる企業は世界的にもますます増加していくでしょう。
また、世界各国と日本では、ITの導入に関する考え方に関しても根本的な違いがあります。
IT先進国であるアメリカの企業を例に比較してご紹介しましょう。
2014年に実施されたアメリカの企業の比較調査では、ITに対する投資姿勢を「極めて重要」と考えているアメリカの企業が75.3%でした。
一方で、日本企業はわずか15.7%に留まったのです。
ITの投資に対する考え方も大きな違いがあり、予算増減見通しに関しても、アメリカの企業の80%が増やす意向だったのに対し、日本の企業では40%に留まっていました。
DXを導入した方がゆくゆくは自社のためになると思いつつも、なかなか取り入れることのできない背景に、どのような課題があるのでしょうか。
DXが浸透していない日本企業が抱える課題
DXが浸透していない日本企業が抱える課題に、どのようなものがあるのか詳しくみていきましょう。
長年使用しているシステムの老朽化
1つ目の課題は、長年使用しているシステムの老朽化があげられるでしょう。
経済産業省が2018年に「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」という報告書をまとめました。
その報告書によれば、多くの企業で用いられている既存システムが老朽化し、カスタマイズを繰り返したことで複雑化していることが問題視されています。
既存システムを作った担当者が在職中は問題がないかもしれませんが、定年退職等で離職した場合にシステムの全貌が把握できなくなるいわゆる「ブラックボックス化」が問題視されているのです。
DXレポ―トでは、老朽化し、ブラックボックス化したシステムがあるために保守や運営にコストがかかる、新しい事業展開やSaaSなどとの連携に対応できないといった問題を生んでいると指摘しています。
この問題が改善できない場合に、2025年以降、日本経済に年間で最大12兆円の損失(現在の約3倍)が生じる可能性があり、既存システムの老朽化は日本の企業にとって無視できない大きな課題といえるでしょう。
DXを進めるためのツールが導入しづらい
2つ目の課題として、DX化のためにツールを導入しようとしても社内の稟議が通らないということがあります。
現場が必要だと思っていても上層部が必要と感じていなければ、稟議が通らずにDXの導入をすることは難しくなります。
販管費の削減があり、コストがない場合や、必要性が理解されないということもあるでしょう。
しかし、このままではそれよりも莫大な損失が生まれるということを理解してもらわなければいけません。
現場の社員だけが問題に取り組むのではなく、全社的に問題を認識して、DXを導入して業務改善をしていきたいという意識の共有が必要なのです。
現在のシステムの維持が優先されてしまう
3つ目の課題は、現在のシステムの維持が優先されるということです。
特に大企業では部署ごとに異なるシステムを採用しており、統一化されていないということがあるでしょう。
そのため、全社にとって最適なITシステムが導入されていないという問題が起きるのです。
システムが肥大化すればするほど維持するためのコストも肥大します。
日本企業ではこのようないわゆる「レガシーシステム」と呼ばれるシステムの維持が、新たなDXの導入を阻むことはよくあるのではないでしょうか。
DXの費用対効果を長い目で見てもらえない
4つ目の課題は、DXの費用対効果です。
DXは導入すればすぐに効果がでたり、売上に繋がるものではありません。
効果を出すためには全社的に継続的な努力をすることとコストが必要であり、それを先行投資として考えられなければDXが社内で浸透する前に断念するということに繋がりかねないでしょう。
DXで人手不足を解消するための人材も不足
5つ目は、根本的な人手不足という課題です。
IT人材は世界的に不足しており、優秀な人材を確保することは簡単なことではありません。
DXを導入して業務改善をしたいと思っても、そのための担当者がアサインできないということがあるでしょう。
経済産業省の調査では、2019年にIT人材の供給量のピークを迎え、このままいけば2030年には50万人以上のIT人材の不足が生じると推計されているのです。
DX推進を阻む課題を解決するための準備
では、推進を阻むこれらの課題を解決するための準備としてどのようなことを行っていけば良いのでしょうか。
課題解決のヒントをご紹介します。
経営層にDXが進められていない課題を認識してもらう
まずは、決裁権を持った経営層に課題を認識させ、危機感を持ってもらうことが一番の課題解決のためのヒントです。
その際に、DXは幅が広く、個々人が持っているイメージが異なるということもあるでしょう。
経営層にDXの重要性をプレゼンする場合は導入をすることでどのような課題を解決し、どうなりたいのか、何を達成したいのかを伝えた上でプレゼンするのがおすすめです。
そうすることで目標や目的が明確になり、より経営層に自社の課題を把握してDXの導入に前向きになるきっかけとなることでしょう。
会社の将来を考えて提案をしているにもかかわらず、なかなか伝わらずに歯痒い思いをしてしまっている担当者のかたもいると思いますが、かならず評価されるべき行動なので、自信を持って推進されることで、いずれ大きな評価を得られることを願っています。
解決できる課題を見つけ、全体に周知する
次に、DXを導入することで解決できる課題を具体的に示し、全体に周知することです。
正しく意義が伝われば、DXを導入することで自分の非コア業務をロボットに任せ、コア業務に注力できるということに気付いて導入を推し進めたいと考える社員も現れてくることでしょう。
多くの人の課題を解決できるようなDXを掲示することで、協力者も増え、DX導入の近道となるかもしれません。
DX担当チーム・協力メンバーを募る
3つ目の課題解決のヒントとして、DX担当チームの他に各部署で動きやすい協力メンバーを置くことです。
部署間での仕事は把握が難しく、実はDX化が可能という業務もDX担当チームが知らなければ導入が難しいこともあるでしょう。
各部署に協力メンバーを置くことで、各部署が自分ごととしてとらえ、自分たちの部署ではどのようなDXの運用ができ、課題が解決できるか考えることが可能になり、より全社的にDX化する近道になるのです。
導入しやすいDX関連ツールから試す
4つ目の課題解決のヒントは、導入しやすいDX関連ツールから試すことです。
いきなり大きな課題から解決することは難しいうえに、大きなコストもかかってくるでしょう。
低予算かつ低リスクではじめられるものから導入して、社内の実績を積み上げ、全社の理解や信頼を得ることがDXを成功させるヒントといえます。
例えば、無料トライアル期間があるものであれば、コストをかけずにDXの性能や効果を試すことができ、その後の有料ツールの導入も稟議を通しやすくなるでしょう。
成功事例を積み上げて全体をDX化していく
5つ目の課題解決のヒントは、成功事例を積み上げて全体をDX化していくことです。
いきなり何もかも自動化するのではなく、部署内でも何を自動化するか決め、少しずつ導入していくと良いでしょう。
少しずつDX化していき、成功事例を積み上げていくことでよりDXの導入をスムーズにすることができます。
低予算で導入しやすいDX関連ツールを紹介
最後に、低予算で課題を解決できる導入しやすいDXツールを3つご紹介します。
RPAツール|Robo-pat
最初にご紹介する低予算で導入しやすい課題を解決できるDXツールは、事務職が自分で自分の仕事を自動化できるようにと開発されたRPAツールのRobo-patです。
システムやWebに詳しくない人でも直感的に自動化できるような仕組みになっています。
エンジニアが付きっきりで関わる必要がないため、課題の1つであるIT人材の人手不足を心配する必要もありません。
パソコンの画面に表示される画像を認識して人がキーボードとマウスを使用して行うことは、ほぼ全て自動化することが可能です。
また、1か月単位で契約ができるため、繁忙期だけ導入する、繁忙期だけ導入台数を増やすといった自社の業務状況に応じて契約を行うことが可能です。
そして、1番の特徴は毎日3回、1回15分Web展示会を行っていることです。
RPAの選び方から、自動化に向いている業務などの基本的なことはもちろん、自社をRPAツールを用いてDX化する際の導入プロセスや定着のポイントなどを個別に相談することができます。
Web展示会に参加した場合は機能制限なく1か月3ライセンスまで無料でトライアルすることが可能です。
コストをかけずに、自社に合った使い方や、DX化に向いている業務、担当者を検討することができるでしょう。
また無料トライアル期間中でも、下記のサポートを無償で受けることができます。
・ヘルプデスク、ロボパットチャンネル(動画サービス)
・実際の社内の業務を例にDX化の例を訪問かWebで教えてくれる個別勉強会
・実際にRobo-patでRPAに作業を教え込む作成支援
トライアル期間中のサポートが充実しているため、契約する際には自社の業務に最適化され、活用できる状態で使用することが可能なのです。
https://growth-link.net/link.php?i=pge1bn1bgdeo&m=5dad6df7af8aa【無料トライアルはこちら】
Robo-Pat
CXツール|KARTE
つぎにご紹介する低予算で課題を解決できるDXツールは、サイトやアプリの訪問者の感情や行動をリアルタイム解析して、一人ひとりに合った体験を提供するCXツールのKARTEです。
従来の環境では、膨大な顧客データがツールごとにバラバラに管理されていたため、顧客ごとに適切な対応をするのが難しかったという企業も多いのではないでしょうか。
KARTEでは過去のデータと今現在のデータを顧客ごとに統合しているため、より顧客のニーズにあったサービスの体験価値を生み出すことが可能になります。
どのようなニーズにあったサービスの体験価値を生み出すことが可能か、不動産業界を例にご紹介しましょう。
たとえば、顧客それぞれが予約をした来場日の前日を自動で判別し、SMSやLINEで顧客にメッセージを送ることができます。
企業からの連絡は、頻度やタイミングを間違うと顧客体験を損なう原因になりますが、手動で管理するのは難しいものです。
申し込み直後の熱量の高いタイミングで1度メールを送信し、来場日前日にはメール以外のツールで連絡をとることで、顧客体験を損なうことなく、より来場率の向上が見込めるのです。
また、初回来場の際にアンケートをとることで、趣味嗜好、属性がわかるようになり、顧客が自ら探す手間がなくその人の課題や目的に合った物件の提案が可能になります。
上記はほんの一例ですが、KARTEを導入することで、金融や人材、教育にサービスなど幅広い業界に沿った顧客体験の提供ができるようになるのです。
Webサイトやアプリを通じてより顧客の課題に沿った体験価値を見出したいと思う企業にぴったりのDXツールといえるでしょう。
AI営業ツール|APOLLO SALES
最後に、低予算で導入しやすく、営業に関する課題を解決できるDXツールとして、AI営業ツールのAPOLLO SALESをご紹介します。
新規で営業メールを送る際の営業リストを保有しており、その中からアタックをしたい条件を指定すると、自社専用の営業リストを作成してくれるAI営業ツールになっています。
また、そのリストを元にメールアドレスや問い合わせフォームを用いてのアプローチまで自動で行ってくれます。
そのため、手間をかけずにリード獲得ができるようになるのはもちろん、その営業メールの効果を数値化することもできるため、その効果に応じて営業メールの文面を変えられるので、より顧客ニーズに沿った提案を可能にします。
営業の課題によくある営業人材の不足も解消し、新規営業のリード獲得後のアプローチに徹することができるという効果が期待できるでしょう。
【お問合せはこちら】https://growth-link.net/link.php?i=5dad716b933d2&m=5dad6df7af8aa
APOLLO SALES
まとめ
自社にあった適切なツールを導入することは、課題を解決するために必要不可欠です。
コストが気になる場合は上記のような低コストではじめられるDXツールを導入して、どれくらい自社の課題が解決できたか効果を確認しつつ、少しずつ導入の幅を広げていくと良いでしょう。
DX化は、自社の今後の明暗をわけるといっても過言ではありません。
自社の課題を解決したいと思う場合は、ぜひツールの導入を検討してみてください。
Illustration by Freepik Storyset