セミナーの開催担当者を一度でも経験をしたことがある人は、その運営がいかに大変かご存じですよね。
事前の集客、当日の運営、開催後の参加者へのフォローなど、やるべきことが多くのしかかってきます。
特に集客はセミナーを開催してよかったか、悪かったか、結果を左右する大きな要素となっています。
せっかく広い会場を用意してセミナーを開催しても、まったく人が集まらないと開催した意味がないですよね。
そのような最悪の事態を防ぐために、注目したいのがウェビナーです。
今回はウェビナーとは何か、導入のポイントやおすすめツールをご紹介します。
ウェビナーとは
ウェビナーとはウェブ上で開催するセミナーのことです。
ウェブ上で行うため、参加者は会場に移動する必要がなく、パソコンやスマホから参加が可能なため、会場で開催するタイプのセミナーに比べて参加のハードルが低くなります。
そのため高い集客力があり、今、多くの企業がウェビナーを取り入れ始めています。
ウェビナーは元々アメリカで生まれたセミナーの形態です。
この背景には、米国が広大であるのに加え、企業が一極に集中していないため、日本のように気軽に営業訪問をすることが難しいという地理的要因があります。
アメリカほど広くない日本でも、コスト削減や働き方改革の視点からウェビナーのメリットに注目が集まっています。
そしてウェビナーを実施するには、大がかりな装置などは必要なく、誰でも気軽に始められるため、導入がさらに進みやすくなっているのです。
ウェビナー開催に必要なもの
それではウェビナーを開催するには何が必要なのでしょうか。
ウェビナーに必要なものは以下の3つで、最低限これさえあれば誰でもウェビナーを開催できます。
ビデオカメラ
まずはビデオカメラです。
しかしプロが使うような高性能・高機能のものである必要がありません。
一般家庭用のビデオカメラでも高画質で鮮明な画像を記録することができるため十分ですし、最近ではスマートフォンのカメラも高画質を売りにしているものが出てきていますので、それらを用いれば問題ありません。
マイク
ビデオカメラに内蔵されたマイクもありますが、確実に音声を録るために別途マイクを用意するといいでしょう。
カメラとセミナー講師の間には距離がありますので、セミナー講師の胸元につけられるピンマイクが便利です。
こちらも特に高価なものでなくて問題ありません。
最近のマイクは価格を抑えながら質の高いものがあるので、そういったものを選びましょう。
ウェビナー配信ツール
最後に必要なのがウェビナー配信ツールです。
動画配信ツールなら無料のもの、例えばYouTubeがありますが、もし企業でウェビナー開催を検討しているのなら、無料ツールよりも有料ツールをおすすめします。
なぜなら無料ツールではセキュリティ面が脆弱なものが多く、リンクさえ知っていれば誰もが視聴できてしまうからです。
一方、有料ツールではセキュリティ対策を講じているものが多く、参加者の管理もしやすいのです。
企業が開催するセミナーでは同業他社の参加を断るケースも多く、そういったときに有料ツールの方が安心です。
また、参加料の徴収ができるツールやセミナー中のチャット機能、アンケート機能、実施後の分析機能など、有料ツールの方が豊富な機能によってウェビナー運営が容易になります。
ウェビナーのメリット
では、ウェビナーにはどのようなメリットがあるのか、整理してみましょう。
集客力が高い
先ほども述べましたが、ウェビナーは会場で開催するタイプのセミナーに比べ、集客力が高いというメリットがあります。
- 参加者にとって移動の手間もコストも掛からない
- 参加上限数が会場のキャパにに左右されないため大人数でも対応可能
これらの理由により、ウェビナーは会場型セミナーよりも集客力が高くなるのです。
東京で開催されるセミナーに、北海道や沖縄などから参加するのはとても大変ですよね。
ウェビナーであれば移動せずに参加が可能で、今までなら地理的・時間的問題で諦めていたセミナーにも参加しやすくなります。
コストカットできる
広い会場を用意しなくていいため、主催者側はコストカットが可能です。
また、会場で開催する場合は参加者向けに資料やパンフレットなどの配布物を用意することが多いのですが、ウェビナーならそれらの用意は必要ありません。
資料はPDFなどの形式でデータで配布することができるので、ペーパーレスでセミナー開催が可能になります。
さらにウェビナー当日は、会場で開催するタイプのセミナーに比べて少ない人員で運営が可能です。
広い会場では参加者全員をフォローするために、それなりの人数のスタッフを待機させておく必要がありますが、ウェビナーならセミナー講師とシステムを操作する人が1人か2人程度いれば運営できてしまうのです。
コンテンツの保存・再利用ができる
毎回同じ内容のセミナーを開催する場合、開催数分のコストが掛かってしまいますよね。
セミナー講師や運営スタッフの時間もそれだけ必要になります。
しかしウェビナーなら、一度録画さえしてしまえば、それを何度でも繰り返し利用できます。
講師が話す様子や資料の画面表示などを録画し、アップロードさえしておけば、いつでも好きなときに視聴してもらうことが可能になるのです。
セミナー以外の幅広い用途で利用できる
ウェビナーはウェブとセミナーを合わせた言葉であるため、セミナーの配信のことしか指さないのではないかと思うかもしれません。
しかし実はウェビナーはセミナー以外の用途も豊富にあるのです。
そのため、セミナーを開催している企業ではセミナー以外にもウェビナー配信ツールを利用でき、有料ツールを導入しても費用対効果が高いのです。
ウェビナーのデメリット
便利なウェビナーツールですが、一方でデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのでしょうか。
配信環境がウェビナーの質に直結する
ウェビナーツールを使ったウェビナーを実施した際、下記のような経験をしたことがある人も多いでしょう。
- 途中で接続が切れる
- 画面が固まる
- 相手の顔が見えるのに音が聞こえない
- 声が遅れて聞こえる
このような環境下では集中してウェビナーを行うことはできませんし、参加者側にもストレスとなります。
ウェビナーツールを導入する際は、音声や画像の質はどうか、サーバーが重い場合にどのような対策がなされているか等、機能をしっかり比較して検討しましょう。
また、講師のカメラ写りも参加者への印象形成に少なからず影響があります。
必ずウェビナーを実施する前に自身のカメラ写りも確認しておきましょう。
ネットワーク環境やカメラ写りに加え、配信を行う場所もウェビナーの質に直結します。
オフィス内の会議室やデスクなど、周りの雑音や背景が整っていない環境下では参加者がウェビナーに集中することができません。
自社でウェビナー用の会議室や配信に必要なカメラ、マイクなどの機材を用意するのが難しい場合は、機材を備えたスタジオをレンタルすることもおすすめです。
参加者との交流がしづらい
ウェビナーツールを利用したウェビナーの場合、講師側の発信が中心のため、一方通行になる傾向があります。
それでは参加者が退屈してしまったり、最悪の場合は離席してしまったりということもあるでしょう。
そのようにならないためにも、講師側はコンテンツを工夫する必要があります。
例えば、挙手機能が搭載されているウェビナーツールを活用して参加型のウェビナーを行うことができます。
参加者からの質疑応答をその場で受けることで、さらに学びの深いウェビナーになるでしょう。
他には、ウェビナーツールのチャット機能を通じていつでも主催者と参加者のコミュニケーションを取れるようにしておくこともおすすめです。
ウェビナーツールのチャット機能であれば気軽に質問ができたり、感想を述べたりすることができます。
ウェビナーツールを比較する際は、参加者と主催者が交流できる機能が充実しているかも確認しておきましょう。
ウェビナー配信ツールの利用方法
ウェビナー配信ツールはセミナー以外にも利用できるとお伝えしました。
では具体的にどのようなシーンで利用できるのでしょうか。
利用方法を挙げてみましょう。
- セミナー
- 社内研修
- 従業員向けの学習ツールとして
- 新卒採用の説明会
- 営業の訪問時における補助ツールとして
- ウェブからの問い合わせへの対応の一部として
- 株主総会
- ウェブ会議
- 複数事業所間における全体の朝礼
他にもウェビナー配信ツールを利用できるシーンはあるでしょう。
ウェビナー配信ツールを導入した場合は、ぜひセミナー以外でも利用してみましょう。
おすすめのウェビナーシステム
それではおすすめのウェビナーシステムを3つご紹介します。
ネクプロ
ネクプロはウェビナー初心者にとって易しいツールで、会場で開催するタイプのセミナーをウェブで同時中継し、ウェブとオフライン両方を一元管理することができます。
今までウェビナーを開催したことのない企業では、最初から会場での参加をゼロにして、ウェビナーに絞ってしまうのは心配な点が多いと思います。
しかしネクプロならまずは会場で開催しているセミナーをウェブで配信するところから始めていけるので、オフラインからウェブへの移行がしやすいのです。
また、ウェビナー配信だけでなく、その後の顧客との継続的なコミュニケーションに重きを置いているツールで、ウェビナー後にアーカイブ動画の配信や顧客管理として活用していくことができます。
実際にネクプロに対する問い合わせに対して、製品説明のウェビナー動画を配信して活用しています。
デモも用意されているので、説明のウェビナーとデモをしっかりチェックして、自社の運用に合うか導入前に確認が可能です。
【詳しくはこちら】
ネクプロ
ネクプロ
Cisco Webex Events
Cisco Webex Eventsでは、クレジットカードやPayPalでの支払いに対応しているため、参加費を集めるウェビナーを開催する際に便利です。
もちろん参加費を集めない無料のセミナーを配信できます。
また、ウェビナー配信の前に仮想プライベートルームが用意されるので、そこで音声や写り具合をしっかり確認してから配信できます。
ウェビナーでは音と画像をしっかり参加者に伝えられることが重要であるため、このようなテスト機能がついているのは助かりますね。
GigaCast
GigaCastはプリペイド式で利用できるウェビナー配信ツールです。
多くのウェビナー配信ツールでは、月額で使い放題か、従量制をとっているものが多いのですが、GigaCastはめずらしくプリペイド式のプランが用意されており、ウェビナーの配信回数が少なかったり、配信タイミングが不定期な場合に使いやすくなっています。
ウェビナーを始めたばかりでは、慣れないことでなかなか頻繁に実施できないことも考えられ、月額だと費用を無駄にしてしまいがちで、従量制では参加者数が多くなるとコストが膨らみがちなため選択しづらいというデメリットがあります。
プリペイド式以外のプランも用意されているため、セミナーの参加人数や形式などが都度変更になる場合でも、GigaCastならプランを使い分けて対応が可能です。
Cocripo
Cocripoはシンプルな画面が特徴のウェビナーツールです。
特別なソフトをインストールする使用する必要がなく、グーグルクロームの入ったパソコン1台あればすぐに使用することができます。
操作しやすいシンプルな画面ですが、機能は充実していてカメラのオンオフ機能はもちろんPDFやMP4形式の動画を再生しながらのプレゼン、画面共有機能などウェビナーに必要な機能が備わっているのが特徴です。
画像や音声の乱れや、配信の停止などについても対策がされており、配信映像サイズの調整や、映像のコマ送り伝送などの自動制御を行い、切断を最大限防いでくれます。
万一、講師側の回線の接続が切れてしまった場合にも、自動で再接続してくれるため参加者は視聴を継続できるというのも特徴です。
誰でも参加できる「公開」や、URLを知っている参加者のみが参加できる「非公開」、メールアドレスを知っている人だけが参加できる「限定公開」と3パターンから選べます。
そのため、セミナーの種類も不特定多数の人に向けた大規模なものから、会員に限定したもの、社内に向けたものなど用途に応じて使い分けることができるでしょう。
V-CUBE セミナー
V-CUBEセミナーは最大10,000台のPCに対して生中継できるウェビナーツールです。
言語も日本語のみならず英語、中国語、タイ語、インドネシア語に対応しており、海外に支社のある会社も世界中からいつでもウェビナーを行うことができるでしょう。
また、H.264エンコードによる高画質対応により、クリアな画像でのWebセミナーを実施することが可能です。
配信サポートや専用スタジオもあり、ウェビナーの開催における不安材料に寄り添い、事前・当日・事後のフォローもしてくれます。
直接フォローを行うのではなく、セミナー講師が自宅やオフィスから、配信スタッフがV-CUBEのスタジオから配信を行う「非接触型ウェビナー配信」も可能。
事前にネットワーク環境のチェックも実施してくれるなど、自社に最適な運用体制を構築するための手厚いサポートが特徴です。
24時間365日サポートしてもらえるため、使い方に困った時や、突発的なトラブルがあった場合にも安心ですね。
Zoomウェビナー
Zoomウェビナーはウェビナー開催に必要な機能だけでなく、多彩な機能が備わったウェビナーツールです。
最大10,000人まで参加することが可能で、参加者の分析やレポートの取得も行うことができます。
視聴者と講師の画面の切り替えや、ウェビナーの収益化オプションなども行うことが可能です。
無料のZoomミーティングでもウェビナー開催は可能ですが、Zoomミーティングは元々会議用ツールのため、ウェビナー開催のための充実した機能を使いたい場合はZoomウェビナーのライセンス取得がおすすめです。
Zoomウェビナーのライセンス取得はプロ、ビジネス、エンタープライズの各有料ライセンスとZoom Roomsを利用しているアカウントのみとなります。
Zoomミーティングの基本ライセンスでは利用することができないため、注意しましょう。
Adobe Connect
Adobe ConnectはPhotoShopやIllustratorなどで知られるAdobe社が提供するウェビナーツールです。
そのため、ウェビナーを録画したのもを編集できる機能が付いていたり、他のAdobe社製ツールとの連携が可能なのが特徴といえるでしょう。
またウェビナーに慣れておらず、セキュリティ面で不安に思う参加者もいるかもしれません。
Adobe ConnectであればAdobe社の知名度も高く、安心して利用することができるでしょう。
料金プランは1年契約と無期限契約の2種類から選ぶことができます。
機能も充実しており、画面共有機能やチャット機能などの基本的な機能はもちろん、リッチメディア共有やレポート機能なども使うことが可能です。
FreshVoice Webinar
FreshVoice Webinarは2クリックの簡単操作でウェビナーに参加することのできるウェビナーツールです。
挙手機能があり、双方向でのウェビナーを行うことができるため、オンライン上でも実際の会場で行っているセミナーと同じように行うことができるでしょう。
講師と挙手をした参加者のやりとりは他の人からも見ることができます。
無料トライアルもできるため、まずは試しに使ってみて導入を検討してみるのもおすすめです。
セミナーもこれからはオンラインの時代に!
いま、ビジネスの世界では様々なことがオンライン化しつつあります。
セミナーも例外ではありません。
ウェビナーを活用することで、今まで以上の集客が見込めます。
ぜひ積極的に活用していきましょう。