【やさしく解説】タレントマネジメントとは? / 背景から実践方法までご紹介

【やさしく解説】タレントマネジメントとは? / 背景から実践方法までご紹介

【やさしく解説】タレントマネジメントとは? / 背景から実践方法までご紹介

【やさしく解説】タレントマネジメントとは? / 背景から実践方法までご紹介

日本の企業では、一度就職したら定年まで同じ企業で働き続けるという終身雇用が定番でした。

この仕組みは日本にいると当たり前のように感じますが、世界を見渡すと日本人の働き方は珍しいもののようです。

日本の終身雇用は戦後から始まったと言われています。

戦後は労働力の確保が難しく、企業としても何とか長く働いてもらうために、年功序列の給与体制や、終身雇用という保障を提供することで、労働力を維持していました。

長く企業に勤めることが労働者のメリットとなるよう、各企業が創意工夫をこらしていたのです。

その結果、日本では終身雇用が当たり前になっていきました。

 

当時の日本ではこれがベストだとされていましたが、時代が変わり、企業や労働者が抱える課題が変わってきた現代では、雇用形態も変わらざるを得ない状況になっています。

経済産業省が平成30年に出したデータによると、働き方の多様化に加え、転職市場が年々拡大していることも見て取れます。

https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/2050_keizai/pdf/001_04_00.pdf

データを見ると、30代後半で転職回数0回の男性は42%となっており、半数以上が転職を経験していることになります。

そう、今の日本では、自分にあった働き方ができるか、自分の能力が活かせるかという視点で企業を選ぶよう労働者の意識が変わっているのです。

このような意識の変化を捉え、今日本の企業で注目を浴びているのがタレントマネジメントです。

あまり耳にしたことがないワードかもしれませんが、長期雇用を課題とする企業では導入が進められている注目のマネジメント手法です。

今回は、タレントマネジメントとは?という説明から、その実践方法まで詳しくご紹介していきます。

 

タレントマネジメントとは?

マネジメントというワードはよく使いますが、企業において「タレント」というワードを使うことは少ないかもしれません。

まずは「タレント」の説明から始めましょう。

 

「タレント」とは?

タレントマネジメントという言葉が表す「タレント」とは、「才能・素質・技量」のことを指し、そのような能力を持った人のことを指す場合もあります。

例えば「豊かなタレントがある」「商談のタレントがある」などという使い方ができます。

これは業務に関するものだけではなく、例えばコミュニケーションスキルが高い、自分の意見を持っておりぶれない、趣味が多く情報通など、日常的に見えてくる個性もタレントのひとつとして認識されます。

 

「タレント」を活かすための「マネジメント」

では、タレントマネジメントとは何でしょうか。

タレントマネジメントとは、タレントをマネジメントするということ、つまり従業員の才能・素質・技量が最も活かせるように人材を配置し、サポート体制や仕組みを整えることで企業の業績を上げていく一連の行動のことを言います。

このような人材を基軸としたマネジメントをすることで、従業員は「この企業は自分を理解し能力を活かせる仕事をさせてくれる」と思い、従業員とのエンゲージメント(会社への信頼度や愛着)も高まりやすい傾向にあります。

 

タレントマネジメントの必要性とは?

では企業にとって、このような従業員のタレント性を活かすマネジメントが今必要なのでしょうか?

タレントマネジメントの必要性を考えてみましょう。

 

流動的な人材を最適に配置する必要性

冒頭でもお伝えしたように、今の時代、転職は当たり前です。

労働者は能力をステップアップさせるために企業を選び、自分にとって有益な企業でないと判断すれば迷わす転職を選びます。

そのため人材は常に流動的で、その人材配置は非常に難しくなっていきます。

また、人の入れ替わりが多いことで人事異動の頻度も上がります。

このように短サイクルで繰り返す人事異動に対しても、企業は適切な人材配置をする必要がありますが、今までのように成績だけを見ていては最適な人材選びはできません。

タレントマネジメントは、企業が従業員ひとりひとりの理解を深めることができるマネジメント手法であり、異動の頻度が高くても、一度に多くの人材を異動する必要があった場合にも、判断に迷うことなく選択することが可能になります

このような背景から、タレントマネジメントが企業に浸透してきているようです。

 

タレントマネジメントの目的とは?

タレントマネジメントが得意とするのは、従業員の個性を理解するということです。

ではタレントマネジメントを行うことで、企業にはどのような効果があるのでしょうか?

目的とは?という観点で考えていきましょう。

 

適切な人材配置によりパフォーマンス向上

個性とは、仕事における潜在的な才能といってもいいでしょう。

ここを理解できることで、人材配置の選択肢が大きく変わります。

例を挙げてご説明しましょう。

 

【事務のAさん】
~既存の理解範囲~
・入社歴:1年
・スキル:Excelがほどほど
・前職:アパレル販売員
・年齢:26歳

 ↓

~タレントマネジメントの理解範囲~
・入社歴:1年
・スキル:Excelがほどほど
・前職:アパレル販売員
・年齢:26歳
・趣味:アウトドア・ファッション情報収集・トレンドスポット巡り)
・対人関係:誰とでも仲良くなれる、年上に好かれる、フランクな対応が得意
・仕事スタンス:改善点あれば積極的に意見、誰かが困っていることに敏感

 

いかがでしょうか?

既存の理解範囲であればAさんは事務以外の配置は選択しづらいですね。

しかし、タレントマネジメントで理解すると、営業職やクリエイティブ職の可能性もあることがわかります。

タレントマネジメントとは、このような個性を仕事につなげることで、従業員がよりパフォーマンスを発揮できる場所を積極的に模索するということなのです。

 

それぞれの特性に合わせた育成

従業員の育成方法は職種という大きなくくりで考えられる場合が多いですが、タレントマネジメントをすることで、個々の特性に合わせた伸ばし方が見えてきます。

この人のこの能力を伸ばすには?という視点で育成を考えることで、従業員のスキルアップも加速し、また従業員も成長を実感することができるのです。

企業規模が大きくなればなるほど画一的な育成になりがちですが、タレントマネジメントを取り入れることで、個性に合わせた育成計画で多くのプロフェッショナルを育てることができるようになります。

 

最終的に、企業全体の目標達成に貢献する

タレントマネジメントとは、単に従業員満足度を上げるためだけではありません。

従業員の潜在的な能力や、発揮できていない素質を見つけ業務に活かすことで、最終的には企業の売り上げに貢献することが目的です。

短サイクルで従業員が入れ替わることを前提に考えると、広く浅い育成方法を長期的に繰り返しても、芽が出るころには退職している可能性が高いのが現状です。

タレントマネジメントとは、個々の能力にフォーカスするため、従業員のパフォーマンスを短期間で向上させることができ、売り上げへ直結する可能性が高まります

それとともに、組織の強化やバリューチェーンの拡大など企業の可能性を広げることにもつながっていくのです。

 

タレントマネジメントを実践するためには?

では、タレントマネジメントを実践するためには何が必要なのでしょうか。詳しくご紹介しましょう。

 

①まずは現状を把握

タレントマネジメントを始めるには、現在の人材コンディションを把握してください。
企業全体を見たときに、どこにどのような人材がいるのか、それぞれの部署でどんな動きをしているのかを知ることが大切です。
新しい手法を取り入れる前には課題感が明確でないと効果も上がりづらくなってしまいます。

 

②タレントごとにグルーピング

現状を整理したら、タレントごとにグルーピングしていきます。
年次や部署は飛び越えてタレントのみで分類されるため、思わぬ顔並びでグルーピングされることもあるようです。
ここが把握できていないと、教育環境を整えることが難しくなってきます。

 

③育成計画書の作成

育成計画書とは、簡単に言うと「どこにどんな人材を配置して活用すると、業績を伸ばせるか」をまとめたものです。

各ポジションにおける求める人物像をまとめていきましょう。この計画書をいかに納得度高く仕上げるかも、準備における重要なポイントです。

 

以上がタレントマネジメントの最初の3STEPです。

さて、タレントマネジメントを実践するためには、従業員全員のタレントデータを取得・管理する必要が出てきます。

そのようなデータをアナログで管理するのは大変で、管理に手間がかかりすぎてしまいます。

そこで、専用のタレントマネジメントシステムを導入することがおすすめです。

タレントマネジメントは効果的なシステムを使うことで、より大幅なリターンが期待できるのです。

 

タレントマネジメントシステムとは

タレントマネジメントの遂行をサポートする

タレントマネジメントシステムとは、タレントマネジメントを効果的に浸透させるためのツールです。

タレントマネジメントとは、という観点を理解したうえで設計されたシステムのため、個々の能力の把握とそれを人材配置に活かすためのノウハウにあふれています。

具体的にツールとはどのようなものがあるのか、いくつかご紹介しましょう。

 

主なツール

jinjer

jinjerは、8,000社以上の登録実績を持つ人タレントマネジメントシステムです。

「1 Master 1 DB」というコンセプトのもと、人事情報のすべてがひとつのプラットフォームに集約されています。

全7種類のサービスを提供しており、その中のひとつである人事管理サービスの場合には、タレントマネジメント、組織情報、異動情報、履歴情報、報酬、福利厚生、教育研修という観点で情報を管理することが可能です。

jinjerではサービスの導入数により費用が変わるという料金プランで提供しています。
具体的なサービス内容をご紹介しましょう。

【具体的な機能とは?】
・人事管理
・勤怠管理
・労務管理
・コンディション管理
・経費管理
・マイナンバー管理・
・採用管理

費用はjinjerのデータベースを基本搭載とし、プラス1サービスで従業員1人につき330円、3サービスだと660円、5サービスだと1,100円という料金プランで、無料トライアルも利用できます。

 

カオナビ

カオナビとは、「多様化する社員の個性も一目で把握」を強みとして展開されるタレントマネジメントシステムです。

カオナビはUIが使いやすく、従業員の顔写真を使用したデータベースが構築できるため、「顔と名前が一致しない」という状態になりにくいという工夫がされています。

【具体的な機能とは?】
・人材データベース
・社員情報ソート
・社員リスト
・組織ツリー図
・評価ワークフロー
・社員アンケート
・配置バランス図
・社員データグラフ
・人材採用アシスト
・適正検査(SPI3)
・パルスサーベイ(10/1開始)
・スマートフォンアプリ
・シングルサインオン
・API連携
・セキュリティ

導入するサービスによってプランが3パターンにわかれています。

最もミニマムなデータベースプラン、続いてパフォーマンスプラン、ストラテジープランの3つのプランから選ぶことができますが、詳しい料金はお問合せが必要です。

 

まとめ

マネジメント方法の改善を検討する企業へ向けて、タレントマネジメントとは?という内容についてご説明しました。

タレントマネジメントとは、これからの時代を企業が生き抜くためにはぜひ導入してほしい手法です。

事業戦略の軸を「人」とする企業は少なくなく、大企業こそタレントマネジメントにシフトする傾向もみられます。

売上を作るのも、従業員をサポートするのもすべて「人」ですので、タレントマネジメントを行うことで、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できるような環境作りをしていきましょう。

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