感染拡大対策として、職場や店舗などで体温を計測することが一般化してきたことから、効率的な手段であるサーモカメラの導入を検討中の事業者は多いかと思います。
サーモカメラは高額で、体温の管理がいつまで必要になるのかも推測できない状況であるため、できるかぎり費用を抑えて導入したいところです。
この記事では、補助金を活用することで費用負担を減らしてサーモカメラを導入する方法についてご紹介していきます。
サーモカメラとは?
「サーモグラフィカメラ」「サーマルカメラ」など、さまざまな呼び方がありますが、今回は「サーモカメラ」という呼称に統一します。
サーモカメラは、対象物から放射される赤外線エネルギー量を検知することで表面温度を測定する機器です。
サーモカメラが検知した対象物の表面温度は、ディスプレイなどを通してリアルタイムで閲覧でき、高温は赤色、低温は青色など、分布図のように映し出されます。
サーモカメラを使うことで、対象が動いていても非接触で測定できるので、検温時に順番待ちをしたり感染したりするリスクがなく、効率的に発熱者のスクリーニングができることがメリットです。
体の中心部の温度を測る体温計とは異なり、サーモカメラは「体表温度」の計測をするので、医療用検温機としては使えないことに注意しましょう。
サーモカメラは国や都道府県からの補助金の対象になる
感染拡大によって起きている不況を事業者に乗り越えてもらうために、国や県からは感染拡大対策を支援する補助金が給付されています。
たとえば、経済産業省の「持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)」では、小規模事業者等がおこなう社会の変化に適した新事業などを支援し、その取り組みに資する感染拡大対策への投資についても一部支援しています。
感染拡大対策費としてサーモカメラの購入費用やレンタル費用も補助金対象経費に含まれており、最大で補助金額の半分(50万円まで)をサーモカメラの導入に利用することができます。
◆小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
- 対象者:小規模事業者等
- 補助金額:100万円
- 補助率:3/4
- 補助金総額の1/4以内(最大25万円)を感染防止対策に充当可能※
※緊急事態宣言の再発令に伴う特別措置として、要件を満たせば感染防止対策費を補助金総額の1/2以内(最大50万円)に引き上げ
●感染防止対策費の対象
- 消毒、マスク、清掃
- 飛沫防止対策(アクリル板・透明ビニールシート等)
- 換気設備
- その他衛生管理(クリーニング、使い捨てアメニティ用品、体温計・サーモカメラ・キーレスシステム等)
上記の補助金は以前交付されていた「持続化補助金(コロナ対応特別型)」の後継で、令和3年3月から新たに公募が始まります。
補助金の情報は日々更新されるため、こまめに確認して機会を逃さないようにしましょう。
また、補助金の申請には時間がかかることもあるので、サーモカメラの導入が決まったら早めにとりかかることが大切です。
サーモカメラにはどんな種類がある?
補助金を利用して導入できるサーモカメラには、おもに2つのタイプがります。
ハンディタイプのサーモカメラ
ハンディタイプはホットスポット型とも呼ばれる小型のサーモカメラで、計測者が手に持ってカメラを額などに向けることで1名ずつ計測します。
カメラ本体に確認用の液晶画面がついているため、単独で使えることがメリットですが、計測ポイントが1点しかないため、10,000点などから計測できる高性能なサーモカメラと比較すると、どうしても精度が低くなってしまいます。
また検温時に感染の恐れがあるほか、計測のために順番を待ってもらう必要があることなどが難点です。
AI顔認証機能搭載の置き型サーモカメラ
置き型タイプのサーモカメラは、AIによる顔認証で対象者を識別する機能があるものが多く、身体の多数の測定ポイントから体温を予測することができるものもあります。
このタイプには、カメラを固定してHDMI等でPCやディスプレイに出力するものと、ディスプレイと一体になっているものがあります。
どちらも計測者の感染のリスクを抑えて効率的な体温を計測することが可能です。
特に、カメラとディスプレイが分離しているタイプは、同時に複数人の計測と発熱者の特定ができるため、人の動きを止めるずに効率的に使用できます。
用途にもよりますが、補助金が利用できるのであれば、基本的にはハンディタイプよりも置き型タイプのサーモカメラをおすすめします。
補助金対象のサーモカメラ 5選
補助金を利用して導入できるおすすめのサーモカメラをご紹介します。
一括購入・分割購入・レンタルなど、さまざまな導入方法がありますが、補助金を利用する際は支払い期間などの要件を満たしているか確認しましょう。
ブライトコンサルティング株式会社のサーモカメラ
ブライトコンサルティング株式会社のサーモカメラは、同時に20人までの検温と高性能AIによる顔認識が可能で、景観を損ねないデザインのディスプレイ分離型サーモカメラです。
取り付けは簡単で、ディスプレイと電源があればすぐにサーモカメラを起動できるシンプルな設計になっており、専用のPCは必要ありません。
サーモカメラで発熱の疑いがある人を発見すると、スマホの専用アプリに通知が来るようになっています。
中規模施設に適しており、計測者に人員が割けない場合でも無人で効率的に感染防止対策が可能です。
月88,000円〜レンタルでき、レンタルプランを契約した場合、契約期間を含まない最初の1週間は無料貸出期間となるため、設置の準備や動作確認に充てることができます。
サーモカメラにトラブルが発生した場合は、15時までの連絡で即日新しい製品を発送してくれるなど、サポートも充実しています。
ブライトコンサルティング株式会社のサーモカメラの特徴
- 費用体系:要問い合わせ(一括購入またはレンタルでの利用が可能)
- 測定距離:1.5〜3m推奨
- 誤差:±0.5 ℃
- 検知可能人数:最大20人同時
- AIの有無:〇
- 保障やサポート:先出しセンドバック(15時までの連絡で当日発送)/設置代行サービス
https://growth-link.net/link.php?i=pgo90f6csk5h&m=5dad6df7af8aa【お問合せはこちら】
ブライトコンサルティング株式会社
株式会社アイレスのサーモカメラ
株式会社アイレスはイベント機材のレンタルやイベント運営をおこなっている企業ですが、サーモカメラも販売・レンタルしており、ハンディタイプや置き型の数種類から選ぶことができます。
三脚で固定して使用するサーモグラフィーガンタイプカメラは、AIで最大20人の対象者を識別し、検温結果とともにリアルタイムでディスプレイに映します。
最短1日からサーモカメラのレンタルが可能で、レンタル期間の選択肢が多いことが特徴です。
補助金の活用にも積極的なので、不明点があれば問い合わせてみましょう。
株式会社アイレスのサーモカメラの特徴
- 費用体系:一括購入(料金要問い合わせ)
レンタル(1日〜12ヶ月) - 測定距離:?
- 誤差:±0.5 ℃
- 検知可能人数:最大20人同時
- AIの有無:〇
- 保障やサポート:配送/設置・撤去/故障の場合は代替製品を迅速にお届け
株式会社塚本無線のサーモカメラ
通信業界で実績のある株式会社塚本無線は、数種類のサーモカメラの販売をおこなっています。
ディープラーニングAI搭載のWTW SMC02SPサーマル体温計カメラは、Windows10対応のPCと接続することで、体温数値とサーモグラフィーの両方を確認できます。
同時に最大18名の顔を認識し、PCアプリには個別の検温記録も残せることが特徴です。
小〜中規模施設に適しており、最大15cm〜5mの距離で測定ができます。
一括購入のみ対応していますが、応援割引もあるため、補助金と併用して検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社塚本無線のサーモカメラの特徴
- 費用体系:一括購入298,000円(応援割引価格)
- 測定距離:1.5〜3m推奨
- 誤差:?
- 検知可能人数:最大18人同時
- AIの有無:〇
Smart&Securityのサーモカメラ
Smart&Securityのサーモカメラは、AI顔認証の機能を持つサーモカメラとディスプレイが一体となっているタイプで、わずか0.5 秒で体温を検知してくれます。
体温が異常な場合のアラートに加え、マスク未着用の際は「マスクを着用してください」とディスプレイに表示されることが特徴です。
ディスプレイ一体型のサーモカメラは1人ずつの計測となるため、検温の周知ができているか、環境が整っているか注意しましょう。
月10,780円〜分割購入プランもありますが、補助金を使えば一括購入でも負担がありません。
発送から専門スタッフによる組み立て・設定のサポートが無料なのも嬉しいポイントで、万が一のトラブルの際は出張のサポートも受けられます。
Smart&Securityのサーモカメラの特徴
- 費用体系:一括購入38,720円〜/分割購入
- 測定距離:〜1.2m
- 誤差:±0.4℃
- 検知可能人数:1人
- AIの有無:〇
- 保障やサポート:初回訪問セットサポート(出張組み立て・機器設定無料)/訪問保障サポート(出張訪問・修理・点検確認無料)/最大5年保証
【お問合せ・お見積もりはこちら】https://growth-link.net/link.php?i=pgm5t0grxnn7&m=5dad6df7af8aa
Smart&Security
PLEN Cubeのサーモカメラ
PLEN Cube(プレンキューブ) 健康チェック版は、サーモカメラに顔認証機能を持つAIアシスタントを組み合わせたサービスです。
非接触での検温に加えて、音声による問診による健康状態のチェックをおこないます。
多くの感染症は発熱以前に喉の痛みやだるさを伴うため、補足的に問診をおこなうことで早期発見につなげられることが特徴です。
アプリケーション経由でメンバーの顔を登録し、ネットワーク上でタブレットから各々データを確認したり、毎日検温することで平熱との差を記録したりすることも可能です。
こちらはのサーモカメラは、本体購入費に加えて月額利用料がかかります。
補助金の利用について相談を受け付けているので、検討の際は問い合わせてみるといいでしょう。
PLEN Cubeのサーモカメラの特徴
- 費用体系:一括購入 153,000円〜
+月額利用料 5,500円 - 測定距離:〜0.6m
- 誤差:±0.5℃
- 検知可能人数:1人
- AIの有無:〇
- 保障やサポート:ハードウェア12ヶ月
https://tr.bizmotion.jp/ad/p/r?_site=245&_article=110&_link=276&_image=329【お問合せ・お見積もりはこちら】
PLEN Cube(プレンキューブ) 健康チェック版
まとめ
感染拡大対策としてサーモカメラの導入を検討している事業者の方に向けて、サーモカメラの導入に活用できる補助金、また補助金を使って導入できるサーモカメラをご紹介しました。
高額なサーモカメラも、補助金を活用することで費用を抑えながら導入することができます。
補助金の公募状況は流動的なため、最新状況はこまめにチェックすることが大切です。
非常事態を乗り越えるための事業者を支援する補助金を利用して、賢くサーモカメラを導入しましょう。
あくまでも、接触するリスクを抑えた状態で「体表温度」を参考に発熱の可能性がある人を発見しやすくするシステムであることをご理解のうえ、ご活用ください。
体調がすぐれない場合や、正確な体温を測る必要がある場合は、必ず医療用の体温計をご使用するようにしてください。