世界中で感染症の影響が長引くなかで、さまざまな企業・店舗が営業をするために努力と工夫をしています。
非接触型体温計の導入もその一つですが、コストがネックとなり導入に踏み込めない企業・店舗もあるのではないでしょうか。
しかし、非接触型体温計の導入条件によっては、国や自治体から補助金の給付を受けられるため、費用を抑えながら導入をすることもできます。
本記事では、国・自治体の補助金を利用して非接触型体温計を導入する方法についてまとめました。
非接触型体温計を導入する際の検討ポイントや、補助金を活用して契約できるおすすめの非接触型体温計も併せて掲載するので、非接触型体温計に興味を持っている企業の方はぜひご一読ください。
急速に高まった体温計の需要
感染症の世界的流行は、私たちの生活に大きな変化を与えることになり、それは「新しい生活様式」「ニューノーマル」とも呼ばれています。
そして、マスメディアやSNSでさまざまな情報が飛び交い、不織布マスクやアルコール消毒液、除菌シートなどの感染予防グッズが姿を消していきました。
2020年に初めての緊急事態宣言が発令されると、オフィスへの通勤、学校への通学も当たり前ではなくなり、オンラインでのビジネスや授業が浸透していきました。
このような混乱と変化が起きるなかで、飲食店や宿泊事業・交通事業など多くのビジネスで経済的な打撃を受けましたが、逆に業績が上がった企業もあります。
「オムロン株式会社」もその一つです。
オムロン株式会社は複数の事業を展開している企業ですが、体温計などの需要が高まったヘルスケア事業が増収となり、169億円の営業利益を生み出したと公表しています。
オムロンの商品というと、脇に挟むタイプの体温計や耳に差し込むタイプの体温計など個人向けの商品を思い浮かべる人も多いでしょう。
実は、事業者向けには非接触型体温計を販売しています。
またオムロン以外の企業も、非接触型体温計の需要が伸びていることを理由に、生産能力を大幅に拡大すると発表しています。
このように、感染拡大を防止するために人が集まる場所では検温を積極的に実施する動きが広がり、非接触型体温計の需要が急速に高まっていることがうかがえます。
補助金の対象に非接触型体温計は含まれる?
経済活動が滞るなかでも企業が事業を継続できるように、国や各自治体はさまざまな救済制度を創設しました。
そして、感染拡大対策として対人接触の機会を減らすための投資をおこなった企業に、補助金を給付する形で支援する動きもあります。
このような補助金の対象に、非接触型体温計が含まれるケースもあります。
ここでは経済産業省の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」を例に、以下の3点を解説します。
- 補助金の対象企業
- 補助金の対象設備やサービス
- 給付を受けられる補助金の金額
補助金の目的
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、企業が革新的サービス・試作品の開発、生産プロセスの改善に取り組んだ場合、設備投資のコスト面を支援することを目的としています。
さらに、コロナ禍での社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換を支援するためにかかった経費を補填するための補助金制度も、新たに追加されました。
補助金の給付対象者
以下の2つのどちらかに該当すれば、こちらの補助金を利用することができます。
- 日本国内に本社・補助事業を展開する場所を有している中小企業
- 特定非営利活動法人
補助金の要件
もともとあった補助金の「通常枠」に加え、「低感染リスク型ビジネス枠特別枠」が新たに創設されました。
補助金の「低感染リスク型ビジネス枠特別枠」の給付を受けるための要件は以下の通りです。
- オンラインビジネスの展開など、対人接触を減らせる画期的な製品やサービスの開発した場合
- ロボットによる生産管理や遠隔オペレーションセンターの構築など、対人接触を減らせる製品やシステムを導入し、生産プロセスやサービスを改善した場合
- 「キャッシュレス端末」「自動精算機」「空調設備」「検温機器」など、感染予防のための設備・システムに投資した場合
非接触型体温計を導入した場合、3の「感染予防を目的とした設備導入」に含まれるため、補助金の対象となります。
補助金の補助率
現在「低感染リスク型ビジネス枠特別枠」の補助率が引き上げられており、導入金額の3分の2が補助金として支払われます。
尚、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、6回目の受付が2021年4月15日から始まっています。
応募締切までの期間は長くないので、対象となる事業者の方は漏らさずにチェックすることをおすすめします。
※非接触型体温計の導入が対象となる補助金の詳細や最新情報は、経済産業省や各都道府県などの自治体HPをご確認ください。
参考:https://portal.monodukuri-hojo.jp/
非接触型体温計を導入した方が良いケースとは?
お得に非接触型体温計を導入できる補助金の一例をご紹介しましたが、そもそもどのようなケースで非接触型体温計を導入した方が良いのでしょうか。
ここでは、非接触型体温計を導入した方が良い主な3つのケースをご紹介します。
体温の自己管理・自己申告が難しい場合
はじめての緊急事態宣言以降、入店・入場する際に検温を義務付けている店舗や施設は多いです。
事前に個人で検温をして正確な自己申告ができれば良いですが、難しいこともあるでしょう。
たとえば、自宅で検温してオフィスや学校に入る前に体温や健康状態を自己申告するケースがあります。
しかし、自宅で検温を忘れてしまったり、目的地に到着する前に体調に変化があることもあるでしょう。
また、どうしても休めない仕事の都合や”言いづらい”という理由などで、微熱があっても無理をして隠してでも出社をしてしまう人もいるかもしれません。
非接触型体温計を導入すれば、体温の自己管理や自己申告が難しい場合でも第三者の目に触れる場所での効率的な検温が可能となり、万が一発熱者を検知した場合は適切な対応をとることができます。
国からの補助金が認められる場合
前章で「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の「低感染リスク型ビジネス枠特別枠」について解説しました。
他にも、非接触型体温計を導入した場合に給付される自治体独自の補助金がないかも調べてみましょう。
自社が補助金の要件に該当する場合、非接触型体温計をお得に導入できるチャンスです。
申請期限がある補助金が多いため、補助金を給付している間に非接触型体温計を導入することをおすすめします。
社員や顧客の不安を軽減させたい場合
感染状況を見極めながら、イベントなどを再開する企業が徐々に増えてきました。
また緊急事態宣言が解除されてからは、テレワークからオフィス出社に切り替える企業やショッピングセンターなど屋内施設を訪れる人も増加傾向です。
個人ではマスク着用や小まめな消毒などの感染対策をしている一方で、来場者としては会場や店舗の感染対策や周囲の人の健康状態も気になるでしょう。
そこで非接触型体温計を設置すれば、社員や顧客に安心感を与えることができます。
非接触型体温計の特徴を見る際のポイント
非接触型体温計はさまざまなメーカーから多様なタイプが販売されており、何を基準に選べば良いか迷ってしまう企業も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、非接触型体温計の特徴を見る際のポイントをご紹介します。
非接触型体温計のカタログや仕様書を見ると、下記の項目が記載されている場合が多いです。
- 費用体系
一括購入/分割購入/レンタル(税込で記載) - 初期費用の有無
導入初期に支払う費用があるかどうか - 測定距離(推奨〇〜〇m)
非接触型体温計と検温対象者間の測定可能距離 - 誤差 ± ℃
実際の体温と非接触型体温計で測定した体温間で発生しうる誤差 - 検知可能人数
非接触型体温計で同時に検知・検温可能な人数 - 検知速度
非接触型体温計が検温対象者を検知するスピード - 故障時の保障内容やサポートサービス
故障やトラブルが発生した場合の補償内容やサポートサービス - 顔認証AIの有無
事前に登録した人の顔をAIの顔認証システムで判断する機能の有無 - 発熱者がいた場合の挙動
発熱者を検知した場合、アラームが鳴る・光る・顔が記憶されるなどの挙動
以上9項目それぞれを吟味して、自社のニーズに適した非接触型体温計を選ぶと良いでしょう。
補助金対象の非接触型体温計5選
ここでは、上記の項目を比較しながらの補助金の対象となる非接触型体温計を5つご紹介します。
ブライトコンサルティング株式会社
ブライトコンサルティング株式会社の非接触型体温計は、一度に20人の検温が可能です。
検温対象者が立ち止まることなく検温可能なため、大勢の人が行き交うオフィスや学校、イベントなどのシーンで重宝されるでしょう。
また、費用体系も購入とレンタルから選択でき、プランも複数あるため自社にあった契約方法を選択することが可能です。
さらにレンタルプランを契約した場合、どのプランでも契約期間を含まない最初の1週間は無料貸出期間となります。
そのため、カメラの設置準備や動作の確認に十分な時間を充てることができるのも魅力的でしょう。
▼比較ポイント
- 費用体系:要問い合わせ
- 測定距離:推奨1.5〜3m
- 誤差 ±0.5 ℃
- 検知可能人数:最大20人
- 保守サービス:
– 先出しセンドバック(15時までの連絡で当日発送)
– 設置代行サービス
https://growth-link.net/link.php?i=pgo90f6csk5h&m=5dad6df7af8aa【お問合せはこちら】
ブライトコンサルティング株式会社
日本アビオニクス株式会社
日本アビオニクス株式会社の非接触型体温計「F50SA-FS」シリーズは、さまざまな運用シーンに対応が可能です。
たとえば、測定手段は、立ち止まって検温する「静止モード」と、歩きながら測定する「ウォークスルーモード」から選択ができます。
また、カメラの本体はわずか100gと小型・軽量でありながら、画素数が57,600ピクセルと高画質なのも特徴です。
▼比較ポイント
- 費用体系:一括購入またはレンタル(料金要問い合わせ)
- 測定距離:
– 静止モード…0.5~1m
– ウォークスルーモード…1.5~3m - 誤差 :±0.3 ℃
- 検知可能人数:最大20人(ウォークスルーモード時)
- 保障内容やサポートサービス:管理者用PCセットやモニターセットなどを別途契約可能
Smart&Securityのサーモカメラ
Smart&Securityの非接触型体温計は、「AI顔認証タブレット型非接触温度測定装置に関する調査」で出荷台数1位になったことがある実績のある温度検知ソリューションです。
サポート費用が物損故障の場合でも無料のため、万が一故障してしまった場合も安心でしょう。
ディスプレイタイプのため同時に複数の人の検温をすることはできませんが、一人一人立ち止まって検温する余裕がある環境においては、安価に導入できる魅力的な非接触型体温計ではないでしょうか。
▼比較ポイント
- 費用体系:
– 一括購入…387,200円〜
– 分割購入…10,780円〜 - 測定距離:〜1.2m
- 誤差 ::±0.4℃
- 検知可能人数:1人
- 保障内容やサポートサービス
– 初回設定訪問(出張組み立て・機器設定無料)
– 訪問保障サポート(出張訪問・修理・点検確認無料)
– 最大5年保証
【お問合せ・お見積もりはこちら】https://growth-link.net/link.php?i=pgm5t0grxnn7&m=5dad6df7af8aa
Smart&Security
TiSens
株式会社New Innovationsの「TiSens」は、非接触型体温計とセンサー式のアルコールスプレーが一体化した検温ソリューションです。
さらに検温対象者がマスクを装着しているかも自動検知できるため、スタッフがお客様にマスクを装着するように直接依頼しづらい場面で役立ちます。
先にご紹介した「Smart&Securityのサーモカメラカメラ」同様、同時に複数人数の検温はできませんが、カメラの前に立つだけで体温測定・手指の消毒・マスクを装着確認と一台三役をこなす優れ物といえるでしょう。
▼比較ポイント
- 費用体系:一括購入 通常160,000円
– 先着2,000社限定で20%OFFキャンペーンを実施中 - 測定距離:要問合せ
- 誤差: ±0.3 ℃
- 検知可能人数:1人
- 保障内容やサポートサービス:商品到着後60日以内に支払う後払いサービス
株式会社エルモケイグランデ
株式会社エルモケイグランデの非接触型体温計「TPC-BF3221」は、広範囲にいる複数の人を同時に検温することができます。
パソコンと付属のソフトウェアを別途契約することで、カメラに映る実際の映像と皮膚温度分布を色別に表したサーモグラフィ画像を並列することができるため、視覚的に分かりやすいのが特徴です。
※比較ポイントがサイト・仕様書で確認できないため、詳しい情報は問合せ中です。
▼比較ポイント
- 費用体系:要問合せ
- 測定距離:要問合せ
- 誤差: ±0.3 ℃
- 検知可能人数:要問合せ
- 保障内容やサポートサービス:要問合せ
まとめ
国・自治体の補助金を利用して非接触型体温計を導入する方法と、導入検討の際に見るべきポイントやおすすめの製品についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
2020年以降、検温は日常生活の一部となり、いかに簡便に・正確に検温をおこなうかが重要になってくるでしょう。
一方で、企業が感染防止対策を実施するうえでコストは無視できない問題となっています。
そのため、国や自治体からの補助金を給付できる期間のうちに、非接触型体温計の導入を検討してみることをおすすめします。