接客業務を飛躍的に効率化させるツールとして注目を集めているPOSレジは、標準的なレジ機能だけでなく、売上管理や在庫管理まで幅広く多彩な機能を備えています。他のシステムと連携させれば、セルフレジや無人レジの実現による大幅な人件費削減も可能です。
POSレジを導入すれば高い費用対効果が期待できる反面、高額な初期投資がかかるというデメリットもあります。実際POSレジを導入するには、どの程度の費用が必要になるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
当記事ではPOSレジ主要7社の導入にかかる費用を比較検証してみました。
状況によっては補助金が使えるケースもあるので、POSレジ導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
POSレジとは
POSレジとはPOSシステムを搭載したレジを指します。POSとは「Point of sale」の略語で、日本語に直訳すると「販売時点」です。言葉通り、POSレジを使うと商品販売時点の各種情報を記録することができます。予め登録されている商品・在庫数・売上・顧客情報・対応スタッフなどを、自動的に本部の記録システムに反映できるシステムです。
さらに周辺機器及びソフトウェアと連携すれば、セルフレジやセルフオーダーなどの業務効率化ツールとしても活用できます。
POSレジの導入にかかる費用とは?
POSレジの導入にかかる費用は、初期費用・月額費用・オプション費用の3つです。
製品によっては導入費用・月額費用がかからない代わりに、カード決済時の数%を手数料として支払う料金形態もあります。POSレジは料金の幅が広いため、自社の目的に合った機能が搭載された製品を選ぶことが大切です。
POSレジの相場はどのくらい?
POSレジの各種費用相場は、利用するプランによっても異なります。
今回比較する主要7社で比較すると、下記の価格帯が相場と言えるでしょう。
初期費用:15万円~20万円
月額費用:4000円~7000円
POSレジは他のシステムと連携させることで、より便利に活用できます。導入時は自社に合わせたカスタマイズをするケースも少なくありません。その場合は別途見積もりで料金が変動します。具体的な金額はオプション内容やシステム会社によっても異なるため、気になる方は問い合わせてみるとよいでしょう。
無料お試しが使える場合もある
POSレジシステムは提供企業によっては、トライアルとして一定期間無料でサービスを試せるケースもあります。決して安くはない設備のため、実際に試してみてから本導入を検討したほうがよいでしょう。
補助金が使えるケースもある
複数の店舗にPOSレジを導入する場合、予想外に初期費用が高額になってしまう可能性があります。いずれのPOSレジも月額費用は比較的安く設定されていますが、導入時に必要となるハードウェアは1台数万~十数万円と高額です。それが10台・20台となれば、数百万円の初期投資をしなければなりません。
POSレジの導入費用がネックになっているのであれば、まずは補助金を調べてみましょう。新型コロナウイルスの感染拡大もあり、政府は非接触設備の導入に対してさまざまな補助金を用意しています。代表的なものでは「IT導入補助金」がそうです。IT設備導入に伴う全体の1/2または2/3以内の費用を補填してもらえます。
補助金は予算が決められており、申請したとしても必ず貰えるとは限りません。しかし、条件を満たしているのであれば、申請する価値は十分にあるでしょう。補助金に関して詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
POSレジ主要7社の費用を比較
POSレジを提供している会社は数多くありますが、その中でも主要となるPOSレジ7社の費用を比較検証してみました。どのPOSレジも基本的な機能は変わりません。しかし、それぞれの製品には強みとなる特徴があるので、自社と相性のよい製品を選ぶとよいでしょう。
Uレジ
・特徴
Uレジは株式会社USENが提供しているPOSレジシステムです。タブレットによるオーダーシステムなど飲食店や小売店に特化しています。オーダー会計・伝票の分割・合算をはじめとした、店舗運営に便利な機能が取り揃えられているため、ホールの人件費削減に効果的です。
・費用
導入費用/14万円~
月額9980円/1台
DealerShip(ディーラーシップ)
・特徴
DealerShipはPower Edge社が提供するタブレット型POSレジシステム。業種を問わず店舗運営における業務効率化ができるよう、低コストで多彩な機能が盛り込まれています。シンプルなタブレットはデザイン性にも優れており、設置する店舗の雰囲気を選びません。店舗ごとのセールやキャンペーンにも対応でき、自在にカスタマイズができるPOSレジです。
・費用
導入費用/15万円~
基本パッケージ/月額4000円
オプション/月額500円~1000円
STORES レジ
・特徴
STORES レジはネットショップ作成サービスを提供している「ヘイ株式会社」が運営するPOSレジサービスです。店舗とネットショップを一元管理が可能。在庫・出荷状況・売上・顧客管理など、全ての情報をリアルタイムに共有できるため、ネットと店舗で確認作業を行う必要がありません。またSTORESのネットショップとiPadさえあれば導入できるため、導入費用を安く抑えられる点も魅力のひとつです。
・費用
フリープラン/月額0円
スタンダードプラン/月額2178円
AirREGI(エアレジ)
・特徴
AirREGIはリクルートが提供するPOSレジアプリです。iPadまたはiPhoneと周辺機器を接続することで、すぐにPOSレジ機能が使えるようになります。月額料金0円で運用でき、カード決済時に数%の手数料を支払う料金体系です。初期投資を大幅に抑えられるため、まとまった資金はないけれどPOSレジを導入したいという方におすすめです。
・費用
月額0円
カード決済時の数%/都度
スマレジ
・特徴
株式会社スマレジが提供するPOSレジシステムです。クラウド型でいつでも最新型にアップデートされるため、セキュリティ面の心配もありません。券売機やセルフレジにもなります。また独自のスマレジ・アプリマーケットから、必要なオプション機能を購入して自由にカスタマイズすることが可能です。
・費用
スタンダード/月額0円
プレミアム/月額4400円(1店舗につき)
プレミアムプラス/月額7700円(1店舗につき)
フードビジネス/月額11000円(1店舗につき)
リテールビジネス/月額13200円(1店舗につき)
SQUARE POSレジ
・特徴
SQUARE POSレジは「Square株式会社」が提供するPOSレジシステムです。多彩な決済方法に対応しており、月額費用は0円。オンライン決済時の数%を手数料として支払う仕組みです。従業員の勤怠管理からネットショップとの連携まで幅広い機能を備えています。
・費用
決済時の3.25%~3.95%
Ubiregi(ユビレジ)
・特徴
Ubiregiは「株式会社ユビレジ」が提供するPOSレジシステムです。シンプルかつ簡単な操作性が特徴のPOSレジです。QRオーダー&決済にも対応しています。レジでの会計情報を読み込み、自動的に集計・分析してくれるので経営分析を行う際にも重宝するでしょう。
・費用
月額6900円
まとめ
POSレジシステムの料金設定は、会社によって大きく異なります。導入費用がかからない代わりに、決済ごとに手数料を支払う料金体系も少なくありません。どちらの料金体系が向いているかは、店舗の売上によって異なります。現状の集計データと比較して、ぜひ自社に最適なPOSレジシステムを選んでくださいね。