多くの競合店がひしめき合うなかで飲食店経営を続けていくためには、新規顧客の獲得はもちろん、既存顧客のファン化・リピート率の向上が必要不可欠です。
顧客から愛される店舗を目指すには、顧客ひとり一人を大切にできる仕組みを整えなければなりません。そのために重要となるのが顧客管理(CMR)です。飲食店向けに数多くのCMRが提供されていますが、そもそも顧客管理について詳しくご存じでない方も少なくないのではないでしょうか。
当記事では顧客管理の概要から導入のメリット、飲食店が集めるべき顧客情報まで詳しく解説いたします。また、おすすめの顧客管理システムもご紹介しますので、顧客管理に課題を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
顧客管理（CRM）とは？
顧客管理システム(CRM)とは「Customer Relationship Management」を略した言葉で、言葉通り顧客情報を管理するためのシステムを指します。
顧客情報を正確に管理することで顧客の満足度向上や信頼関係の構築に役立ち、売上や認知度向上にも効果が期待できる戦略のひとつです。業種や規模を問わずビジネスのさまざまなシーンで活用されています。
飲食店が顧客管理を導入するメリット
顧客管理はどの業界においても重要な要素のひとつですが、専用の顧客管理システムを導入することで、顧客が多い飲食店では下記のメリットを得ることができます。
アプローチ先となる顧客情報を収集できる
顧客情報は新商品やキャンペーンなどの告知にも活用でき、直接顧客にアプローチできるお店の資産です。収集した顧客情報を活かして、信頼関係の構築からリピートにつなげられるか否かで、お店の売上は大きく左右されるでしょう。
情報管理の自動化でコスト削減・時間短縮になる
人材確保の難しさや人材不足が深刻化する現代において、飲食店の業務は多忙を極めているケースがほとんどです。そんななかで顧客情報の管理に時間やコストを割く余裕がないという状況も少なくありません。
顧客管理システムを導入すれば、ほとんどの管理業務を自動で一元管理できるようになるため、少ない人員でも多くの顧客情報を把握することができます。
顧客との信頼関係を構築しやすくなる
顧客のリピート率や来店頻度などを把握できるようになることで、顧客との信頼関係を構築しやすくなります。顧客情報がシステム上で一元管理されているため、店舗のスタッフが入れ替わった場合でもスムーズな顧客対応が可能です。
顧客情報の照会がスムーズになる
顧客管理システムにはさまざまなタイプがありますが、クラウド型などネットを介する製品であれば、複数店舗の顧客情報管理に活用できます。必要に応じて、すぐに顧客情報を照会できるため、情報の確認で顧客を待たせる心配もありません。
情報媒体紛失のリスクを回避できる
紙やファイルによる顧客管理の場合、時間の経過とともに紛失するリスクがあります。また、顧客情報が増えるほど、特定の情報を即座に見つけることも困難になっていくでしょう。
顧客管理システムであればデータによる一元管理となるため情報紛失の心配はありません。また、いつでも情報を照会できるので、古い顧客情報でも簡単に見つけることができます。
上記のようなメリットを最大限活用していけば、店舗の売上アップに貢献させていくことは十分に可能です。
飲食店が集めるべき顧客情報とは
ひとくちに顧客情報といってもいくつかありますが、飲食店で必ず集めておくべき顧客情報は下記の通りです。
- 氏名、性別、年齢(生年月日)などの属性
- 連絡先(メールアドレス、電話番号、住所など)
- 来店回数、来店頻度、最終来店日など
- 各メニューの注文回数などの購買履歴
これらの必要最低限の情報があれば、メルマガやDMなどでアプローチできるので、売上アップに活かすことができるでしょう。顧客それぞれの属性や来店情報に応じて、最適な情報を届けることでリピート率や来店頻度の増加も期待できます。
また、収集したデータを基に分析を行い、売上や注文頻度を比較して新メニューや新制度の開発を検討してみるのもよいでしょう。
飲食店におすすめの顧客管理システムとは？
顧客管理システムは各社からさまざまな製品が販売されています。システムによって得意とする業界や機能が異なるため、自社に合ったシステム選びが大切です。ここから飲食店におすすめの顧客管理システムを4つご紹介いたします。
KALEIDO CRM
KALEIDO CRMは「飲食店のための顧客管理システム」をコンセプトにしたCRMです。氏名や電話番号・メールアドレスなどの基本情報はもちろん、顧客別に誕生日・記念日・アレルギー・お気に入り商品・個別メモまで、詳細なデータを登録することができます。
また、顧客情報をリスト化しCSVで出力でき、条件での絞り込みも可能。誕生日が近い顧客など特定の要素を持った顧客にも積極的にアプローチすることができます。
さらに経営戦略のサポート機能も充実。集客目的に行ったキャンペーン、メルマガ、DMなどの反響がどの程度あったかもKALEIDO CRM上で確認できます。最適なタイミングでプロモーションを行うことで、より効果的な施策が可能になるシステムです。
トレタ
トレタは「繁盛店づくりを支える」をコンセプトに設計されたCRMです。予約台帳・顧客台帳・集計・分析・ウェブ予約の基本機能を備えています。
ホームページやWEBサイトに予約ページを設置でき、そこから予約が入れば自動的に予約台帳ができあがる仕組みです。別途転記する必要がなく、予約情報は顧客台帳にも自動で反映されます。シンプルな使いやすさで万全のサポート体制が整っている点も魅力のひとつ。
POSシステムと連携させれば会計情報や来店情報を自動で共有してくれるため、サービスの品質向上に活用することができます。
dodo point
dodo pointはCRMの機能を備えたポイントシステムサービスです。カード・スマホ・アプリなどを使わず、店舗独自のポイントを貯めて使うことができます。
顧客はタブレットに電話番号を入力するだけでポイントが付与されるため、余計な手間は一切かかりません。ポイントを使うときも必要なものは電話番号だけ。強固なセキュリティで守られているため、個人情報の管理も安心です。
もちろん基本となる顧客情報の収集・分析機能も搭載しており、必要に応じて専門のコンサルタントが売上アップをサポートしてくれます。
TableCheck
TableCheckは非接触によるコンタクトレス決済を搭載したCRMです。予約時にクレジットカード情報を預かり、決済も自動的に行うというシステム。打ち合わせや会議後の会計で顧客に手間を取らせることなく、スムーズな決済が可能となります。
また、顧客一人ひとりに寄り添った顧客管理システムを搭載。氏名や連絡先はもちろん、アレルギー情報や記念日などの個別要素も登録可能。さらに店舗への着信時、即座に顧客情報を表示することもでき、顧客との信頼関係構築にも活用することができます。
まとめ
飲食店における顧客管理は、顧客との信頼関係の構築そのものといっても過言ではありません。しかし、接客対応で多忙な飲食店では、顧客管理に十分な時間と手間をかけられないという事情もあるでしょう。もしそのような課題を抱えているのであれば、顧客管理システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
