リードスコアリングとは?仕組みの基礎から、”過信は禁物”の理由を解説

リードスコアリングとは?仕組みの基礎から、”過信は禁物”の理由を解説

リードスコアリングとは?仕組みの基礎から、”過信は禁物”の理由を解説

リードスコアリングとは?仕組みの基礎から、”過信は禁物”の理由を解説

日本の労働人口の減少が進み、労働時間の管理や働き方の多様性が謳われる中で、企業はいかに効率を上げながら売上を伸ばしていくかを考えなければなりません。

無駄な作業は極力減らし、データを最大限活用した効果的な仕組みを作り、業務フローを刷新しながらより良い方法を模索している企業は多いようです。

そのような状況の中、注目されているのがリードの効率的な活用です。

リードとは見込み顧客のことを指し、今後自社の商品を購入してくれる可能性のある企業や個人のことを言います。

このリードの状態を把握し、定期的にコミュニケーションを取ることで、購買意欲を掻き立てていくのですが、その中で行われるのがリードスコアリングです。

リードスコアリングは、リードを育成する施策とあわせてよく活用されていますが、今回はこの仕組みとリードスコアリングの上手な利用の仕方をご紹介していきます。

 

リードスコアリングとは

冒頭で「リード」とは見込み顧客のことだとお伝えしましたが、リードスコアリングとは、その見込み顧客に点数をつけることを言います。

その点数を見ればリードがどのくらい自社商品に興味があるのかが数値でわかるようになりますし、その点数ごとにリードを振り分けることも可能です。

リードスコアリングとは、企業内で個別管理され散らばっていたランダムなリードデータを、誰もが共通の指標を元に判断できるよう整理するという役割も持っているのです。

 

どのようにスコアを付けるか?

詳しいスコアの指標は後述しますが、簡単に言うと見込み顧客がどのような人で、どのような行動をとっているのか、という要素の一つひとつに点数をつけ、それを合計した総合点数がリードのスコアとなるといった流れになります。

リードスコアリングとはマーケティングオートメーションの機能の一環として提供されることが多いため、スコアを付ける手段は専用のツールが利用されることが多いでしょう。

予め該当する要素をシステム上に登録しておき、担当が手動でスコアを入力する場合もあれば、web上の行動履歴を読み込み自動的に点数を付与する場合もあります。

専用ツールの場合には、リードスコアリングが単体で存在するというよりも、MAツールやSFAツールと連携されていることが多いため、例えばリードが一定のスコアに達すればホットリードとして営業へアラートが上がるような仕組みが組み込まれているなど、企業全体としてデータを連携させて使うことも可能となります。

 

リードスコアリングはどう活用されている?

ではビジネスの現場において、リードスコアリングとはどのような使われ方をしているのでしょうか?

リードスコアリングとは何のために使うのかを明確に把握することで、より効果的に活用することができます。

大きく2つありますので詳しく見ていきましょう。

 

優良な見込み顧客を効率よく見つける

1つ目は、売上につながりやすい見込み顧客を効率的にあぶり出すための活用です。

リードスコアリングが活用される前は、見込み顧客の選定には無駄な作業が多く発生していました。

例えば電話帳に掲載されている番号に片っ端から電話をしたり、商品を片手に飛び込み営業をしたりと、いわゆるローラー作戦によるものが多かったのではないでしょうか。

もちろんその中で受注に結びつくものもありますが、受注率は低かったと思います。

このような作業は人手も時間もかかるため、労働人口が減少している今の企業の状態を考えると適しているとは言えません。

リードスコアリングとは、このような非効率的な作業を減らすために活用されるようになりました。

またリードスコアリングでは、作業を効率化したうえで、その後の受注につながるようパフォーマンスの質を上げることも目的としています。

 

ではなぜリードスコアリングとは質の向上にもつながるのでしょうか?

リードスコアリングとはリードを数値で表現しますが、その合計スコアには様々な要素が盛り込まれています。

そのため、例えば企業の職種だけを見てアプローチするなど偏った条件だけでなく、web上での行動履歴や問い合わせ回数など総合的な指標の元で判断できるため、優良な見込み顧客を見つけやすくなるのです。

そして、リードスコアリングとは個人的な主観ではなく、統一された定量数値で測られるため、誰もが判断に迷わず同じ視点で見込み顧客を振り分けることができます

そうすることで選別にムラがなくなり、全体的な質の向上につながっていくのです。

 

営業活動の効率化

2つ目は、営業サポートとしての活用です。

リード情報はもともと営業が個人管理していることが多く、例えば貰った名刺やイベント参加のリストなどを元に営業がアプローチをかけるというスタイルが多かったのではないでしょうか?

しかし上記のフローだと、購買意欲の高低に関わらずどのリードに対しても同様の工数を割くことになり、とても非効率です。

リードスコアリングとは、そのような営業活動を大幅に効率化する役目を果たしてくれます。

リードスコアリングとは顧客を点数の高い順に並べることや、特定のスコアでソートをかけることもできるため、営業はその絞られたリストの中からアプローチを仕掛ければよいのです。

そうすることで、無駄な営業活動を削減し、より受注確度の高いリードに専念することが可能となります。

営業が本来やるべき仕事とは、クライアントと商談し、より多く受注することで企業の業績を上げることです。

リードスコアリングとは、そのために必要な準備や本来の活動に注力できるよう、営業をサポートするために活用されています。

 

スコアリングにおける考え方

前項で軽く触れましたが、ではリードスコアリングとは具体的に何を基準にスコアがつけられているのでしょうか?

指標は企業により差異はありますので、ベースの考え方としてご紹介します。

以下より詳しく見ていきましょう。

 

スコアリングに利用する指標の例

リードスコアリングとは、基本的には大きく3つのグループにわけてスコアがつけられます。

あくまでも一例ですので、それぞれの企業商品の在り方や営業方法に合わせてチューニングを行いましょう。

 

企業の属性情報

1つ目の指標は属性情報です。

属性とは、役職・企業の業種・企業が活動する地域・担当者の部署・従業員規模などのことを指しています。

具体的にどのような属性を指標とするかは企業によって異なりますが、属性による指標を加えることで、基本情報だけでもある程度分類することができるようになります。

以下は高スコアの具体例です。

【高スコアになる属性情報】
・役職が上がる(決済権があるため)
・企業の所在地が自社商品とゆかりのある地域
・自社商品と関連のある業種
・自社商品と関連のある部署
・従業員規模が大きい(取引金額が増える可能性があるため) など

どのくらいの規模の企業をターゲットとするのか、商品を利用する部署はどこなのかによって高スコアになる属性は変わりますので、それぞれに適した指標を設定するようにしましょう。

 

行動履歴

2つ目の指標は行動履歴です。

行動履歴では、リードが自社の商品にどれだけ興味を持っているのかを表します。

web上での行動や、リアルイベントでのアクションなどが指標となります。

どのような際にポイントが付くのかを具体的に挙げてみましょう。

【高スコアになる行動履歴】
・自社ホームページの商品情報を閲覧した
・料金表を閲覧した
・商品の資料をダウンロードした
・電話やメールで問い合わせをした
・展示会やイベントに参加した
・メールマガジンの開封率が高い など

上記の中でも、より購買につながりやすい行動には高スコアを付けることで、自社商品に興味を持っているリードの中でも細かくランク付けを行うことができます

 

定性的な印象

3つ目の指標は定性情報です。

上記のような定量情報に加え、担当者が直接リードから得た定性情報もスコアとして登録します。

例えば以下のような項目が考えられます。

【定性情報の一例】
・決裁者までの伝達速度はどのくらいか
・新しい商品に対する関心の高さ
・自社の担当者とリードの信頼関係
・予算事情 など

このように、購買の判断につながるような情報はスコアリングしておくとより正確なリストが完成します。

リードスコアリングとは定量だけと思われがちですが、定性情報も重要な指標となるのです。

 

リードスコアリングの「過信」は危険!?その理由

リードスコアリングとは営業の効率化や確度の高いリードの洗い出しに有効ですが、このスコア数値だけで判断しすぎるのは危険です。

リードスコアリングとは非常に便利なものですが、しかしデータには限界があるということを理解する必要があるのです。

なぜなのか、具体的な理由を見ていきましょう。

 

結局スコアだけでは判断できない

リードスコアリングとはあくまでも目安に過ぎない、ということをまずは理解しておきましょう。

もちろんやみくもにアプローチをかけるよりも圧倒的に効率は上がりますし、実際に受注率の向上にもつながっています。

しかし、スコアが高くても受注につながらないリードもいますし、逆に低くても成約するリードはいるのです。

そのため、スコアだけに固執するのではなくしっかりと顧客に向き合って判断するようにしましょう。

結局のところ購入を決断するのは「人」です。

人の気持ちを置き去りにして数値ばかりを見ていては、貴重な機会を逃しかねません。

リードスコアリングとは、1つのサポートツールとして上手に付き合っていくことをおすすめします。

 

スコアリングのロジックが重要

リードスコアリングとは、スコアのベースはあるものの企業によってどの項目を選択し、それにどのくらいのスコアを付与するのかは企業担当者の腕に委ねられています。

そのため、リードスコアリングとはスコアリングの精度によって成功するかどうかが決まると言っても過言ではありません。

スコアリングはそれぞれの企業が導いたロジックを元に行われますが、そのロジックは企業ごとに違うものであり、どのような行動が受注に結びつくのか、企業へのエンゲージメントが強まったと言えるのか、をしっかり見極める必要があります。

それには、まずロジックの元となるデータを分析することから始めましょう。

リードスコアリングとは、適当に数値を設定しても意味はありません。

見るべきポイントを見誤れば、出てきた数値はまったく使えないものになってしまうので、慎重に設定するようにしましょう。

 

スコアリングロジックの妥当性は継続して検証する

データを分析し設定したロジックを元に運用をしていたとしても、利用してみたら実態と乖離があったということもあります。

もちろん最初からすべてがうまくいくことは少ないので、運用しながら違和感のある部分は改良を続け、積極的にPDCAを回すことを心がけましょう。

それぞれに付与しているスコアの数値は妥当か、不必要な項目や漏れている項目はないか、ホットリードのラインはどこで引くべきなのか、などを常に検証していくことで、より精度の高いスコアリングをすることができます。

また、リードスコアリングとは人の行動を数値化しているもののため、常に流動的であるとも言えます。

例えばイベントの内容を変えたり、ホームページの仕様を作り変えたりすればそれに合わせてスコアリングも変える必要があります。

リードスコアリングとは、リードが何をみてどのようなアクションをするのか、というカスタマージャーニーをしっかり把握しておかなければならないものなのです。

 

まとめ

今回は、リードスコアリングとは何なのかという基礎情報から、活用における注意点や活用方法をご紹介していきました。

リードスコアリングとは、今企業が抱えているすべてのリードを洗い出し改めて整理するという行動です。

そのため、リードスコアリングとは不必要な作業をなくして効率化させるとともに、今まで眠らせていたリードを掘り起こすきっかけにもなるのです。

多くの企業は変わらなければならない瀬戸際に立たされています。

今までのままではいけない、何かを変えなければならないと思う企業の方は、一度試してみてはいかがでしょうか?

リードスコアリングとは活用するうえで注意点もありますが、上手に使いこなせばきっと企業の助けになってくれます。

専用ツールも利用しながら、ぜひ効果的に活用していってください。

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