マーケティングオートメーションの導入で『営業』はこう変わる

マーケティングオートメーションの導入で『営業』はこう変わる

マーケティングオートメーションの導入で『営業』はこう変わる

マーケティングオートメーションの導入で『営業』はこう変わる

営業の役割は、シンプルに言い表すと『企業の売上を作るために顧客と商談し、受注を獲得すること』です。

しかし、この本来やるべき業務に営業担当者が十分な時間を割けないという問題が多くの企業で起こっています。

これはなぜでしょうか?

 

原因は、「商談」のフェーズに至るまでに膨大な人的リソースがかかってしまうことです

初対面の相手と突然商談を始めることはできません。まずは顧客に出会う機会を作り出し、商品の存在を知ってもらい、興味を持たせ、顧客にとって必要な商品だと思わせることが重要です。その上で商談に繋げるアプローチを行うからこそ、顧客は興味を持って話を聞いてくれます。

そのためのステップはかなり多くの工程が必要です。展示会、広告出稿などによってリード(見込み顧客)を獲得する必要もありますし、各顧客にいつどんな提案をするかも重要です。そのためには顧客の興味度合いを正確に測りとる必要があり、定期的な連絡も必要でしょう。

効率もあまり良くない上に、これらの業務は営業担当者のスキルも必要で、属人的になってしまいます。

このように「商談」に至るまでの工程は非常に多くの時間と労力がかかりますが、掛けた時間に対して成果が見合わないこともあるでしょう。

営業担当者の業務を効率化するためには、商談までの工程にかかる労力を減らしていくことが重要となります。

 

そこで、多くの企業で導入が進んでいるのがマーケティングオートメーションです。

今回は、このマーケティングオートメーションが営業にどんなメリットをもたらすのかをご紹介します。

 

マーケティングオートメーションとは何か?

マーケティングオートメーションとは、一言で言うとマーケティングを自動化する仕組みのことを指します。

マーケティングオートメーションを導入することで、各リードの様々な情報をシステム上に蓄積することができます。各顧客の興味関心度合いや、他営業担当者のアプローチ履歴、行動履歴や興味のある情報などが蓄積され、常に誰でも確認できるようプラットフォーム化することが可能となるのです。

 

何のためのツールか?

企業によって差はありますが、このような営業課題を抱えている企業は多いでしょう。

・集めた名刺を効果的に活用できない
・顧客データが散らばって管理できない
・問合せ対応に追われている
・無駄な商談が多い
・受注率が上がらない

このような状態になる原因として、データの管理体制・活用体制が整っていなかったり、データの利用が個人任せになっており、集客~受注までのフローが属人化しているといったものもあります。

情報が共有できないことで業務の無駄が増え、結果受注にもつながらないという負の連鎖に陥っている状況です。

このような課題は早急に解決する必要があります。それぞれを個人単位で解決するのは難しいですが、マーケティングオートメーションを活用して、チームとして効率化を図ることは可能です。

マーケティングオートメーションの目的のひとつに、業務を効率化することにより営業の工数を削減し、本来やるべき商談・受注に専念できるよう体制を整えることにあります。

また、データを共有し効果的に活用することで、新規顧客の開拓や既存顧客のエンゲージメント向上を図ることで、企業の売上拡大にも貢献することができるのです。

 

具体的な機能

ではマーケティングオートメーションには具体的にどのような機能があるのでしょうか?

マーケティングの工程ごとに分けてご紹介します。

【集客フェーズ】
・広告連動、広告管理機能(クリック率やCVRの計測)
・展示会やセミナー案内のフォーム作成
・ランディングページ作成

【顧客育成フェーズ】
・シナリオ作成
・トラッキング機能
・メール自動送信
・パーソナライズ機能

【顧客選別フェーズ】
・スコアリング機能
・アクセスログ分析

 

マーケティングオートメーションはツールによって搭載している機能には差がありますが、大きく分けるとこのような機能が一般的です。

個々で行っていた分析やメール配信等を自動化できるなど、マーケティングオートメーションを導入することで単純業務を効率化することが可能になります。

またこれらのデータはすべて一括で管理されるため、自動的に情報共有されますし、情報伝達の漏れも減らすことができるのです。

 

マーケティングオートメーションが営業に与える変化

マーケティングオートメーションの強みは、単純に付帯業務を減らすだけではありません。

導入目的のひとつには「売上拡大」がおかれているため、営業の受注に直結する働きも期待されます。

ではマーケティングオートメーションを導入することで営業の仕事はどう変わるのでしょうか?

 

アポを取る前から、リードのデータが溜まっている

マーケティングオートメーションが営業にもたらす影響は、業務フローの変化によるものが大きいでしょう。マーケティングオートメーション導入前後で比べてみましょう。

 

【MA導入前:既存営業フロー】

既存フローでは、リードを獲得するところまででマーケティングの役割は終了し、その先の受注までのステップは営業の役割となっていました。

アポを取ってからの関係構築および関係の継続も営業の役目です。ここは時間がかかる一方で、手法は属人化されていますし、労力に見合う効果がすぐには得られず、疲弊してしまう原因にもなってしまいます。

 

【MAの導入後の営業フロー】

マーケティングオートメーションを導入すると、この流れが大きく変わります。

リードに対して営業がアプローチを行う前の段階で、リードへの情報提供やリード情報の獲得、エンゲージメントの向上まで全てマーケティングオートメーションが行ってくれるため、営業が商談に望む際には多くの情報が手元に揃った状態となっています。

マーケティングオートメーションを導入することで、問合せ履歴やメールマガジンへのリアクション、自社サイトへの訪問回数やサイト上の行動追跡など、どのリードがどのような情報に興味を持っているのかが可視化されるため、初回商談の前から、顧客の課題感を掴むことが可能になるのです。

さらに、マーケティングオートメーションがリードの育成・商談への引き上げアクションを自動的に行うため、営業担当者が商談までにおこなう作業を削減でき、商談における提案の内容に注力するなど、受注率を高めるための動きをとることが可能です。

商談前に顧客の情報を多く得ることができ、受注率を上げる取り組みに集中できるようになるため、マーケティングオートメーションを利用することは営業成果にも直結すると言えます。

 

スコアリング機能でホットリードが一目瞭然

マーケティングオートメーションの多くにはスコアリング機能が搭載されていますが、この機能を活用することで、アポイントの獲得率やその後の受注率も大幅に変わります。

スコアリング機能とは、サイトの訪問履歴や問合せ数に応じて、リードにスコアを付けていく機能のことを言います。

あらかじめ自社ホームページのコンテンツごとに付与するスコアを設定しておく必要がありますが、料金ページや問合せページなど自社商品を購入する可能性の高い人が訪れるページには高スコアを付けることで、受注確度の高いリードを自動的にあぶり出すことができるのです。

これにより、営業はスコアの高いリードを選別してアタックすることができます。スコアが高い人を優先することで、より見込みのあるアプローチを行えるので、受注率を高めることができます。

また過去の行動履歴から「このページを踏むリードは成約しやすい」といったパターンを設定しておくことで、そのページを閲覧するとお知らせが入るような設定も可能です。

また、料金ページを何度も見ていたなら「料金についてご不明な点はありますか?」など、閲覧していたページに関する情報をさりげなく盛り込むことで、顧客が欲しい情報を的確に届けられるかもしれません。

そうすることで、リードの興味が最も高まったタイミングでアプローチすることができるため、受注確度の向上につながります。

今までは営業マン独自の直感や経験値でしか判断できず、アプローチ先の選別やアプローチタイミングに対しムラがありましたが、マーケティングオートメーションによって定量数値を付けることで、誰もが一定レベルで効果的にアプローチができるようになるのです。

 

営業活動がさらに効率化

上記の通り、マーケティングオートメーションを導入することで、営業活動の仕組みを大きく変えることが可能になります。

闇雲に回数をこなすような営業や、営業マンの感覚に頼ったアプローチ方法、属人化したデータ管理や関係性の構築などは、永続性もなく不安定で、企業体制としては良くありません。

営業活動の効率化と言われると、顧客とのエンゲージメントが下がるのではないかと懸念されることもありますが、むしろマーケティングオートメーションの導入によりエンゲージメントが向上したというケースは少なくありません。

営業が対面で行わねばならないことを強化するために、自動化できるものはマーケティングオートメーションに任せることで効率化を図り、データを共有して顧客に対してチーム全体でアプローチを行う体制が築けます

これが、マーケティングオートメーションが営業に与える変化です。

 

営業部門がマーケティングオートメーションを使いこなすには

多くのメリットを持つマーケティングオートメーションですが、導入したすべての企業が成功したかというとそうではありません。

マーケティングオートメーションを導入したものの、思うように結果が出ない場合や、新たな課題を抱える企業もあります。

では営業活動の効率化を目指し導入を進めるには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか?

詳しくみていきましょう。

 

「マーケティング部門」だけのものではないという意識で導入を

マーケティングオートメーションについて、「営業現場は関係ない」という印象を持ってしまっていては、十分な成果は見込めないでしょう

なぜかというと、マーケティング~商談~受注まではすべて一連の流れでつながっており、蓄積された情報を営業部門が十分に活かせなければ、マーケティングオートメーションはその真価を発揮できないためです。

マーケティングが変わるということは営業にはどんな影響があるのか、業務フローはどうするのか、顧客へのフォローやアプローチ方法はどう変えるべきなのかをしっかり想定して導入に望みましょう。

マーケティングオートメーションの目的は、あくまでも営業工程の効率化と売上の向上だ、という点を忘れてはいけません。

 

MA担当メンバーがマーケ・営業の橋渡しとフォローを行う

マーケティングオートメーションを導入する際は、現場の課題感を正確に把握する必要があります。

そのため導入前には、マーケティングオートメーションを指揮する担当が、マーケティング部門と営業部門に必ずヒヤリングを行いましょう。

そのうえで、どの業務のどの工程をオートメーション化すべきかを検討し、それによるマーケティング部門と営業部門への影響を考慮し、体制設計やフローの構築をサポートするようにしてください。

マーケティングオートメーションではデータや情報の管理・共有・活用方法の設計が重要となるので、ここが崩れると成果に繫がりません。

 

SFAとの連携でより使いやすく

SFAとはSales Force Automationの略で、日本語で示すと「営業支援システム」となります。

マーケティングオートメーションとの違いは、マーケティングオートメーションは集客~商談までのフェーズを主に担うのに対し、SFAでは商談~契約までのフェーズを担っています。

SFAの機能としては、顧客ごとの売上や営業体制の管理、タスクや商談の履歴など営業がどの顧客に対してどのようなアプローチを行い、結果がどうだったのか、という情報を一元管理することができます。

SFAとマーケティングオートメーションを連携させることで、営業に特化したSFAツールにおいても、マーケティングオートメーションのデータを活用することができるようになります。

具体的に得られるメリットをいくつかご紹介しましょう。

・育成~スコアリングされたリード情報が自動的に営業の手元へ届く
・webの閲覧履歴や行動パターンを想定した提案ができる
・1顧客の過去の履歴がすべてひとつのデータに蓄積される
・商談後のアフターフォローもデータ連携し集約できる

このように、顧客とのタッチポイントをひとつのデータで管理できるため、業務の無駄や担当者でアプローチ内容にムラが出ることを防ぐことができるのです。

 

まとめ

マーケティングオートメーションを導入して十分に活用していくためには、今までの営業スタイルを変えていく必要があります。

システムに強くない、昔ながらの営業マンが多い、など二の足を踏む企業もありますが、営業への課題が見えているのであれば導入を検討してみてはいかがでしょうか?

マーケティングオートメーションはツールによって使い方もさまざまなため、例えばひとつの工程だけ導入してみるという選択も可能です。

誰でも使いやすいようUIも工夫されているため、使い勝手が良いものも多数展開されています。

これからの営業活動を支えるマーケティングオートメーションを、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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